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新型コロナ 変異ウイルス 国内最多EG.5.1の性質は BA.2.86とは

  • 2023年9月19日

新型コロナウイルスについて東京都のゲノム解析の結果では、オミクロン株のうちEG.5という変異ウイルスが増える傾向が続いていて、全体の39.8%となっています。国内で検出される変異ウイルスはどのような状況になっているのか。これまでわかっている性質のほか、海外の状況などについてまとめました。

国内 オミクロン株の1種「EG.5.1」が最多に

国内で検出される新型コロナの変異ウイルスの割合は、国立感染症研究所によりますと、オミクロン株の1種「EG.5.1」が最も多く、今週(9月18日~)の時点で63%になると推定されています。そのほか、「XBB.1.16」が16%、「XBB.1.9」が9%などと推定されています。

「EG.5.1」を含む系統は、WHO=世界保健機関がVOI=注意すべき変異ウイルスに指定して監視していて、世界的にも8月13日までの1週間で26.1%を占めています。

EG.5.1の感染力は

東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らのグループが発表した論文によりますと、「EG.5.1」は、細胞を使った実験で、細胞への感染力自体は一時、感染の主流となっていた従来の「XBB」系統のウイルスよりも下がっていた一方で、ワクチンの接種や感染によってできる中和抗体が効きにくかったということで、グループは「免疫を逃れる能力が高くなっている」と指摘しています。

東京医科大学 濱田篤郎特任教授
「(EG.5.1について)免疫逃避しやすいウイルスで、これまでワクチンを接種したり感染したりした人でも再び感染することがある状況だ。マスクの着用や、頻繁な換気など、日々の対策を強化したほうがいい時期だと思う」

「BA.2.86」国内検出 世界的に警戒高まる

また、世界的には「BA.2.86」という変異ウイルスへの警戒も高まっています。この変異ウイルスは感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質の変異が30か所以上と多いことからWHOはVUM=監視下の変異ウイルスに指定して監視しています。

8月イスラエルとデンマークで初めて検出されて以降、日本を含む各国で次々に検出されていますが、アメリカのCDC=疾病対策センターは、現在までに得られたデータによるとほかの系統のウイルスと比べて中和抗体の効果は大きく変わらないことが示唆されるとしています。

「XBB.1.5」対応ワクチン EG.5に効果は

一方、東京都は、9月20日から、都庁北展望室と千代田区にある三楽病院の2か所を大規模接種会場として秋からのワクチン接種を無料で始めます。
対象となるのは、初回の接種を完了した生後6か月以上のすべての人で、使用されるのはオミクロン株の一種で「XBB.1.5」に対応したワクチンです。

専門家
「EG.5は現在流行しているXBB株とよく似ていて、おそらくEG.5にもXBB対応ワクチンが効く可能性が高い。追加接種は、感染予防に一定の効果があり、重症化予防にはさらに効果がある」

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