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忘年会行きたくない?そもそも業務?若者「強制参加で上司の機嫌とらないといけないの?」

  • 2023年12月4日

新型コロナが「5類」に位置づけられてから初めての忘年会シーズン。

「何で強制参加で上司の機嫌とらないといけないの?」
ネット上には忘年会などに関連するこのような意見が見られました。
さらに若手社員からは「職場の忘年会は業務なのではないか」といった声も聞かれました。

働き方に詳しい社会保険労務士は、忘年会が会社の指揮命令下にある場合や、事実上従業員に強制している場合は、給料や残業代が出る業務にあたる可能性があると指摘しています。

忘年会って業務?

ことし5月、新型コロナウイルスが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に位置づけられてから初めての忘年会シーズンを迎えます。

コロナ禍に学生時代を過ごした若手社員の中には、ことし初めて職場の忘年会に参加する人も多いということです。

こうした中、ふだん中小企業からの相談を受けている都内の社会保険労務士の元には「忘年会に残業代は出ますか?」と部下から言われて、困惑した経営者や上司からの相談が相次いでいるということです。

社会保険労務士の久保田慎平さんによりますと、取引先との忘年会への出席を求められるなど、会社としての指揮命令下にある場合は、労働時間と考えるのが妥当だということです。

また、従業員に対し出席を強制し、欠席すると給料や業績の評価に影響があるような場合も給料や残業代が出る業務にあたる可能性があると指摘しています。

久保田さん
「『みんな参加しているんだから』というような誘い方は、直接的でなくても強制参加の印象が強まり、業務になると捉えられる可能性があります。強制参加にならないように、出たい人に出てもらう誘い方が重要で、ふだんから出たいと思わせるような雰囲気作りも大事だと思います」

「【業務外】忘年会のお知らせ」というタイトルのメールが

都内に住む40代会社員の元に11月下旬、「【業務外】忘年会のお知らせ」というタイトルのメールが届きました。

発信元は会社の若手社員で、部署内への一斉送信メールでした。

受け取った男性は「業務外」という表記に違和感をおぼえたと言います。

この男性は「おそらく上司や先輩の指示ではないかと思うのですがなぜ『業務外』と打ち出してまで、会社としての忘年会にこだわるのか不思議です。わたし自身、いまはお酒を飲むのをやめているので、行きたい人だけで個々に声がけするのではだめなのでしょうか」と話していました。

また、ネット上には忘年会と残業代に関連するこのような意見が見られました。

何で強制参加で上司の機嫌とらないといけないの?令和の時代に上が昭和だと…
このご時世に泊まりでの忘年会。残業代つけてほしい
忘年会、なぜ残業代が出ないんだろう…

 

業務時間内に忘年会を

業務時間内に忘年会をしている企業があります。

広島県福山市の不動産会社では、例年、日中の業務時間内に忘年会を行い、その分の給料も支払っています。

コロナ禍で忘年会を自粛していたため、ことしは12月下旬に4年ぶりに昼間の飲食店で忘年会を行うということです。

従業員11人のうち、5人は子育てや介護のため働く時間に制約があり、業務時間内の忘年会は好評だということです。

勤務時間内の忘年会は、多くの従業員が参加しやすくなり、社内の一体感が高まるため、経営者の立場からしても生産性のアップが期待できるメリットがあるということです。

山陽不動産の角田千鶴副社長
「勤務時間外の夜にやると、残業代が出るのか、いつ終わるかという不安もあると思います。勤務時間内に給料を払って開催するのが参加しやすいと考えました。若い人が楽しくないのは、その上司や開催する人が楽しもうとしてる会になってしまっているのかもしれません」

20歳の従業員
「勤務時間内ということで参加しやすいです。忘年会に参加したことがないので、未知の世界でもありますが楽しみにしています」

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