東京・上野の貴金属店に11月2日に3人組が押し入った事件では、店員が「さすまた」を使って抵抗したことが注目されました。栃木県の製造会社によりますと、一連の広域強盗事件の発生をきっかけに去年の秋ごろから「さすまた」の注文が増えているということです。
栃木県で自動車部品などを製造する会社では、金属加工の技術をいかして2011年から「さすまた」を製造しています。東京・江東区で11月29日に開かれた展示会では、会社がブースを設けて、「さすまた」など商品を紹介していました。
「警察に相談したらさすまたを勧められた」とか「女性でも安心して使えるものがほしい」などといった問い合わせが多いということです。
引っかけることもできるし、腕をきめることもできる。
この会社では、女性でも簡単に扱うことができるよう1キログラムまで軽量化して女性でも簡単に扱うことのできるもののほか、相手に押し当てると体にバンドが巻きついて身動きをとりにくくさせるものなど、さまざまな種類を製造しているということです。
この会社には、一連の広域強盗事件の発生をきっかけに去年の秋ごろから「さすまた」の注文が増えていて、それまでは月に数件ほどだったものが1日あたり10件以上の注文が寄せられるようになったということです。
また、11月26日に東京・上野の貴金属店に3人組が押し入った事件では、店員が「さすまた」を使って抵抗したことが注目されましたが、この事件のあとからは注文や問い合わせがさらに増えていて、28日はおよそ30件あったということです。
製造会社 佐野*タケミツ社長
「(さすまたは)基本的にディフェンシブ、自分を守るために使うものだ。相手を捕まえたり戦ったりするものではなく、あくまでも逃げる時間を稼ぐものとして考えて、訓練をしたうえで使ったほうが安全で安心だ」
※タケは「にんべん」に「丈」 ミツは「にんべん」に「光」