全国各地で相次いでいる強盗事件では、SNSの「闇バイト」でメンバーが集められた疑いがあることが分かっています。
去年、今回の事件と同じように「闇バイト」に応募し、神奈川県内で強盗事件を起こしたとして起訴されている被告がNHKの取材に応じました。
「闇バイト」で強盗に関わるまでのいきさつを明らかにしたうえ「後悔しかない」と語りました。
接見に向かう記者
関東地方の拘置施設で、記者の接見取材に応じたのは強盗などの罪に問われている、20代の被告です。会社員でしたが、去年、神奈川県内の住宅に押し入り、現金を奪ったとして他の実行メンバーとともに逮捕・起訴されました。
取材のメモ
Q.なぜ強盗をすることに?
生活するお金に困っていた。
Q.仕事は?
会社員をしていた。
Q.強盗したいきさつは?
ネットやSNSで「高収入」の募集を検索した。
Q.どのような募集だったのか?
強盗とは書かれていなかった。「高収入」と書かれていた。
Q.応募したら、どんな指示があった?
アプリをダウンロードしてやりとりするように指示された。
Q.それはメッセージが消えるようなアプリか?
そういうやつです。
取材のメモ
Q.踏みとどまろうと思わなかったのか?
指示役に求められて、免許証を送ってしまった。
Q.強盗だと知ったのはいつか?
免許証を送ったあとだった。強盗の話を聞いたのに、やらなかったら組織にいたい目に遭わされるのではないかと思った。やるしかないなと思ってしまった。
Q.住所も知られたから?
そうだ。
Q.ほかの実行役については知っていたのか?
指示役から連絡先が送られてきた。面識は無かった。ほかの実行役は現場で指示役と電話でやりとりしていた。これまでに「何件かやったことがある」と言っていた。
Q.現場はどうやって選んだ?
合流してから送られてきた。なぜそこが選ばれたのかはわからない。「行け」と指示されただけなので。
Q.強盗をするのは怖かったのでは?
現場の住宅に向かう途中、ずっと「家に人がいなければいいのに」と思っていた。
Q.人がいたときどう思ったのか?
怖かった。汗がぶわーっと出てきた。警察がこないかと、近所の人に気づかれないかと。
Q.報酬はどうしたのか?
山分けした。強盗が終わったあと指示役とみられる人物と電話をして礼をいわれた。これで終わりだと思った。
Q.指示役は男?
男だったと思う。相手のアカウントなどは覚えていないし指示役については何もわからない。
Q.逮捕されるまでの心境は?
警察がいつか来るとは思っていた。来た時は、ついに来たかと思った。
取材のメモ
Q.強盗をしたことをどう思うか?
後悔しかしていない。被害者を生み出してしまったことに対して。
Q.被害者に対して怖い思いをさせて申し訳ないということか?
そうです。後悔しかしていない。