東京・港区に「麻布台ヒルズ」と名付けられた再開発プロジェクトの一環として建設された高さ330メートルの超高層ビルが開業しました。その高さは大阪市にある「あべのハルカス」を抜いて日本一です。施設や再開発プロジェクトの概要、さらに都心で相次ぐ高層ビルの建設の状況などについてまとめました。
開業したビルは、「麻布台ヒルズ」と名付けられた大手不動産会社「森ビル」などが進めている再開発プロジェクトの一環として、東京・港区の虎ノ門・麻布台地区に建設されました。地上64階、高さは330メートルと、大阪市の「あべのハルカス」を抜き、現時点で日本一の高さのビルになります。
エリア内には、このビル以外にも複数の建物が整備され、オフィスや商業施設のほか、ホテルやマンションなども入ります。全体の敷地面積は、およそ6万3900平方メートル、東京ドームおよそ1.4個分に相当する広さです。
オフィスで働く人と、住宅に入居する人をあわせると2万人を超える見込みです。
商業施設には海外の高級ブランドを含むアパレルショップや飲食店などおよそ150の店舗が入ります。開業した24日は、訪れた利用客が商業用のフロアで食事や買い物を楽しんでいました。
また、ベンチャー企業に出資する「ベンチャーキャピタル」の集積拠点や、デジタル技術を使い、見る人の行動によって作品が変化する「デジタルアート」の展示施設なども整備されます。
エリア内には、インターナショナルスクールも設けられるなど、外国人を呼び込むことも意識されています。
このほか、非常食なども備蓄されていて、災害時にはおよそ3600人の帰宅困難者を受け入れる態勢も整えられています。
都内では高層ビルの建設が相次いでいます。ことし3月には東京駅に直結する複合施設で地上45階建て高さ240メートルのビルがある「東京ミッドタウン八重洲」が全面的に開業。
また、4月には新宿の歌舞伎町にエンターテインメントに特化した地上48階建て高さ225メートルの「東急歌舞伎町タワー」が開業しました。
さらに、東京駅の日本橋口近くでこのビルを上回る高さ385メートルの「トーチタワー」が2028年の完成を目指して建設が進められています。