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東京・築地市場 跡地に何が スポーツ?アニメ?具体案が浮上

  • 2023年10月31日

「日本の台所」とも呼ばれた東京の旧築地市場。豊洲への移転に伴い出現した広大な跡地に再開発で何ができるのか。関係者への取材で、プロスポーツの公式戦の開催を想定した施設と日本のアニメやゲームなどに特化した施設を整備する、2つの案が浮上していることがわかりました。

都が再開発事業者を募集「大規模集客施設など条件」

東京の豊洲市場への移転に伴って、5年前に閉鎖された旧築地市場の広大な跡地について、都は、大規模な集客施設の整備などを条件に、再開発を行う事業者を募集しました。都は複数の提案が出ていることを明らかにしていますが、関係者への取材でこれまでに出されている2つの提案の概要がわかりました。

このうち、1つの案では、およそ5万人を収容でき、野球やバスケットボールといったプロスポーツの公式戦を想定し、さまざまな競技の開催が可能な多機能型の屋内施設を中心に、国際会議の開催を念頭に置いたホール、築地場外市場や豊洲市場の食材を活用し、食文化を発信する施設などを整備するとしています。

もう1つの案では、日本のアニメやゲーム、マンガに特化したエンターテインメント施設として、およそ2万8000人を収容でき、展示会やコンサートなどの開催が可能な多目的ホールやホテルなどを整備するとしています。

築地市場とは

「日本の台所」とも呼ばれ、食文化の発信拠点にもなっていた築地市場。市場ができたきっかけは、100年前の関東大震災でした。
日本橋にあった魚市場が全焼し、1935年、京橋の青果市場とあわせて移設され、「築地市場」として開場したのが始まりです。その築地市場の発展に合わせ、場内では手に入らない食材や包丁などの道具を扱う店が周辺に集まって「場外市場」が誕生し、腕利きの料理人などから信頼を寄せられて人気が高まりました。

そして、2000年には、都営大江戸線の「築地市場駅」が開業し、「築地の食」を求めて、多くの観光客も訪れるようになり、一大観光地となりました。
ただ、昭和初期にできた築地市場は老朽化が進み、江東区の豊洲へ移転することとなりました。当初は、2016年に移転する予定でしたが、豊洲市場で土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかったなどの問題が発覚し、移転が遅れることとなりました。
そして、2018年10月に移転が完了し、築地市場は83年の歴史に幕を下ろしました。

再開発で掲げた都の条件は

東京都のホームぺージより

旧築地市場の跡地の広さはおよそ23ヘクタールで、このうち、都が新たにつくる方針の堤防や道路などを除く、19ヘクタールが再開発の対象となっています。公募型プロポーザル方式により事業者の選定を行うため、ことし8月末に、次のようなコンセプトや整備条件を掲げて、応募を受け付けました。

●掲げたコンセプト
「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」を実現すること。

●主な整備条件として
▼水辺をいかした築地ならではの景観をつくること
▼地下鉄の新駅や舟運などを結ぶ「交通広場」を整備すること
▼東京の新たな強みとなる大規模集客・交流機能の導入 など

審査はなぜ非公開?事業者決定はいつ?

事業者の提出した提案内容は、都が設けた外部の有識者による委員会で審査されますが、都は「客観的かつ公平に審査するため」だとして提案内容や事業者の名前や数は明らかにしていません。審査する有識者も提案がどの事業者から出されたものなのか、明かされずに審査を行うことになっていて、来年3月ごろに事業者が正式に決まる予定です。
事業者が決まれば、その提案の概要が公表されることになっていて、その後、住民などから意見を聞く場が設けられる可能性もあります。

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