子どもを中心に感染する「咽頭結膜熱」いわゆるプール熱の感染者数が増えて基準を超えたとして、東京都は初めてとなる警報を出し、手洗いやうがいなどの感染対策を呼びかけています。
一方、インフルエンザの感染者数は、前の週からほぼ横ばいで、引き続き注意報のレベルを超えています。
こうした状況などから都内の病児保育施設では、予約が取りにくい状況が続いています。
これは、12日、都庁で開かれた感染症の対策会議で発表されました。
「咽頭結膜熱」=いわゆるプール熱は、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。
発表によりますと、プール熱の感染者数は増えていて、10月8日までの1週間で基準を超えたため、都は12日、統計を取り始めた1999年以降初めてとなる警報を出しました。
感染者の8割は5歳以下の子どもだということです。
東京感染症対策センター 賀来満夫所長
「プール熱はほとんどの場合は自然に治るが、アルコールがなかなか効かないので、感染を拡大させないためにも、流水による手洗いやうがい、タオルを別にするなどの対策をお願いしたい」
また、インフルエンザの感染者数は、1医療機関あたり16.44人と前の週からほぼ横ばいで、引き続き注意報のレベルを超えています。
インフルエンザなどに加え、昼と夜の寒暖差で体調を崩す子どもも増えていることから都内の病児保育施設では、予約が取りにくい状況が続いています。
東京・港区の小児科クリニックが運営する病児保育施設では、インフルエンザなどで連日、定員の6人の2倍近くの申し込みが寄せられ、キャンセル待ちの状態が続いています。
クリニックで10月8日までの1週間に検査をした陽性患者のうち、インフルエンザが56人、アデノウイルスが37人、新型コロナウイルスが3人だったということです。
また、10月に入ってからは昼と夜の寒暖差から体調を崩す子どもも増えているということです。
12日、訪れた中学1年の女子生徒はインフルエンザに感染していることがわかり、薬を処方されていました。
また、高熱が出た4歳の女の子は、「風邪」と診断され、父親は、「インフルエンザではなくて安心しました。夫婦で仕事のやりくりをしながら協力して乗り切っていきたいです」と話していました。
「チャイルドケアばんびぃに」時田章史 院長
「子どもの具合が悪くても仕事を休めないという人が非常に多く、病児保育はひっ迫しています。これからは気温も下がって、抵抗力も落ちやすくなるのでインフルエンザワクチンの接種をお勧めします」