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ハチ公像は「封印」「ハロウィーン 渋谷駅周辺に来ないで」なぜ

  • 2023年10月26日

毎年10月のハロウィーン。例年、大勢の若者や外国人が渋谷に集まってきました。ところが、渋谷区長がハロウィンは「渋谷駅周辺には来ないで」と訴えました。「路上飲み」も条例で制限。ハチ公像は「封印」されることに。なぜなのでしょうか。ハチ公像は「封印」されることに。なぜなのでしょうか。

ハチ公像は「封印」へ 11月1日朝まで

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区は28日から11月1日の朝まで「ハチ公像」の周りを見えないように囲って“封印”することを決めました。区は渋谷のシンボルを隠すことでハロウィーンの期間に大勢の人が集まるのを防ぎ、深刻なトラブルや群集事故が起きないようにしたいとしています。区によりますと、ハロウィーン対策で「ハチ公像」を“封印”するのは初めてだということです。

26日、渋谷を訪れた人からは「安全優先なのでしかたがない」といった声や、「ハチ公像がいたずらされないように守るために必要」といった意見が聞かれました。一方で、「ハロウィーン期間中の人出を
減らす効果があるか疑問だ」
と話す人もいました。

渋谷区は「ハロウィーンが終わってからハチ公像に会いに来てほしい」とコメントしています。

記者会見で区長が訴え

ハロウィーンまで1か月あまりとなった9月12日。東京・渋谷区の長谷部健 区長が記者会見で、次のように訴えました。

渋谷区 長谷部健区長
「昨年の韓国・ソウルと同様の事故が起きてもおかしくないと非常に危惧している。ハロウィーンを目的に渋谷駅周辺に来ないでほしい」

渋谷とハロウィーン

毎年10月のハロウィーンの時期に大勢の若者や外国人が集まる渋谷区。区が対策を始めたのは8年前の2015年でした。路上に大量のごみが放置され、渋谷駅や商業施設のトイレが仮装用の血のりで汚されるなどし苦情が寄せられたのがきっかけでした。

区は渋谷駅近くの公園に着替えやメイクをするテントを設置。ごみを持ち帰ってもらおうとカボチャをくりぬいて作った飾り物をイメージしたごみ袋も配り、当時は節度を持ってハロウィーンを楽しんでほしいと呼びかけていました。

ところが、3年後の2018年、ハロウィーン直前の週末に軽トラックが横転させられる事件が起きたほか、酒が絡むトラブルもなくならず、区は対策を強化することにしました。
着替え用のテントは廃止、2019年にはハロウィーンの期間に路上や公園での飲酒を禁止する条例を制定したのです。

また、去年(2022年)10月には韓国・ソウルの繁華街で大勢の人が折り重なるようにして倒れて死亡した事故が発生。
区は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから初めてとなる、ことしのハロウィーンへの警戒を強めていて、「ハロウィーンの時期は渋谷に来ないで」という強いメッセージを出したのです。

具体的な対策は

では、区はどのような対策を取ろうとしているのでしょうか。

ハロウィーンの時期にあたる10月27日から11月1日までは、渋谷駅周辺の路上や公園など公共の場での飲酒は条例で制限されます。
これに加えて、最も混雑が見込まれる10月28日の土曜日と当日の10月31日は、路上飲酒の制限地域にあるコンビニエンスストアなどに対し、酒類の販売を自粛するよう要請します。
また、駅周辺などに100人規模の警備員を配置し、人が滞留しないよう移動を促すことにしています。

長谷部区長
「最初のころは、ほほえましく見ていた部分はあったが、だんだんと人があふれるような状況になってきたときに、これは対策をしないといけないと思った。ことしは去年までとは状況が全く異なり強い危機感を持っている」

渋谷の受け止めは

今回の区の方針について、渋谷の街で聞いてみました。

騒いで人に迷惑をかけるのはよくないので、仕方ないのでは。
発表することで渋谷に行かないと思う人もいると思うので、いいと思います。
夜、友達とワイワイするのが好きなので、ハロウィーンはイベントの1つとしていい機会。来ないでほしいは『ちょっとマジか』という感じ。
そういう文化がなくなるのはさみしい。

地元の商店街は、区の方針について、次のように話しています。

渋谷センター街商店街振興組合 鈴木達治理事長
「渋谷のハロウィーンは、モラルやマナーを超越した次元で人命に関わる問題にきているので、当然のメッセージだと思っています。センター街は、ハロウィーンでは一般の人が来られないという状況になるなど大変困っていて、ものすごい被害があります。区とともに、困っているという状況をメッセージとして訴えていきたい」

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