学校の校庭で相次いで見つかっているくぎについて、各自治体の緊急安全点検で東京23区ではこれまでに12の区でくぎが見つかりました。専門家は、子どもの安全を守るため撤去を急ぐとともに運動会などでくぎの使用を控えるよう呼びかけています。
12の区の詳細など、詳しくまとめました。
東京都内では、杉並区の小学校でことし4月に、校庭から突き出ていたくぎで児童が大けがをしたことから、文部科学省は各学校で安全点検が確実に行われるよう、全国の教育委員会などに通知しています。
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安全点検の状況について、NHKが東京23区に確認したところ、23区すべてで目視による調査が行われていて、これまでに12の区でくぎなどがみつかったことがわかりました。
多かった順にみると、杉並区が8794本、江東区が772本、板橋区が724本などとなっていて、いずれもすでに撤去したということです。
見つかったくぎの本数 | |
---|---|
新宿区 | 269本 |
江東区 | 772本 |
品川区 | 8本 |
大田区 | 約700本 |
杉並区 | 8794本 |
北区 | 277本 |
荒川区 | 約200本 |
板橋区 | 724本 |
練馬区 | 複数 |
足立区 | 23本 |
葛飾区 | 350本 |
江戸川区 | 187本 |
杉並区で本数が多いのは金属探知機を使った調査も行われているためです。今週月曜日に杉並区内の小学校で行われた点検では、5台の金属探知機を使って、校庭を3メートルごとの区画にわけ、漏れがないよう作業が行われた結果、136本が見つかりました。
中には20センチを超える長いものや、テープのようなものが付いているものもあり、区教育委員会は、運動会などでテープをつけたくぎを打ち込んだあと、テープが外れてくぎの場所がわからなくなり、その後地中に埋まった可能性があるとしています。
作業にあたった業者の担当者
「子どもたちが走るコース上に埋められたくぎが多く、さびの具合からかなり昔のくぎも含まれていると思う」
学校の安全対策に詳しい専門家は次のように指摘しています。
名古屋大学大学院 内田良教授
「地面から出ているくぎを早急に撤去し、子どもたちのけがを未然に防がなければならない。点検をこれまで以上にこまめにするとともに色のついたコーンを使用するなど、くぎ以外の手段を考えるべきだ」