大相撲初場所で13勝を挙げ、優勝争いにも加わった琴ノ若。大関昇進が確実になりました。
出身は、佐渡ヶ嶽部屋のある千葉県松戸市。大関に昇進すれば、千葉県出身力士としては69年ぶりの快挙です。
幼少期から知る料亭の経営者、小学生時代に通った相撲教室。ゆかりの人たちの声をお伝えします。
(千葉放送局記者・池田侑太郎)
琴ノ若は新関脇として臨んだ2023年9月の秋場所では9勝で、11月の九州場所では一時は優勝争いにも加わり、11勝4敗の成績を残しました。
今場所は、千秋楽の優勝決定戦で横綱・照ノ富士に敗れて初優勝は逃したものの、13勝2敗の成績を残し、三役で臨んだ直近3場所の勝ち星の合計が大関昇進の目安とされる「33」に届きました。
日本相撲協会の八角理事長は、昇進の議論を預かる審判部の要請を受けて、1月31日に大関昇進に向けた臨時理事会の開催を決め、琴ノ若の大関昇進が確実になりました。
大関昇進が正式に決まれば、千葉県出身力士としては69年ぶりとなります。
千秋楽から一夜明け、琴ノ若は記者会見で次のように述べました。
優勝決定戦で負けた最後の一番が悔しい気持ちのほうが強いが、大関は小さいころからかっこいいと思っていた地位なので、そういう存在になりたい。
場所前から大関昇進の可能性もあると、多少なりとも言われていたが、勝ち星や内容をつないでいけば、お声がけいただけるとは思っていた。ただ、決めるのは自分ではなく結果で、意識することなく、その日の一番にしっかり集中してできた。
大関で終わりたくないので、もう1つ上を目指してやっていく。しっかりと責任感や緊張感を持ちながら、部屋の力士を引っ張り上げて、全員で上を目指す空気や環境を作っていく。
佐渡ヶ嶽部屋にほど近い料亭「割烹しの田」。
社長の稲川智子さんは、琴ノ若の祖父・先代親方と両親が親しく、琴ノ若の父親・現在の佐渡ヶ嶽親方とも交流があるといいます。
以前は、家族ぐるみで一緒に旅行に行くこともあったということです。
やはり普通の赤ちゃんよりは体が大きかったです。その頃から落ち着いていて、泣いたり騒いだりというようなことはありませんでした。
2020年の新入幕の際には、化粧まわしを贈りました。
今場所は初日に締めてくださいました。父が先代の親方との間で、琴ノ若関が幕内に入るときに化粧まわしを贈る約束をしていました。
大関昇進が確実となったことについては…。
日頃の努力をすごくされている方なので、それが実ったということで、まだ通過点だとは思いますが涙が出るほどうれしいです。
けがなく、順調に勝ち進んで、次は優勝して地元の松戸でパレードをしてもらいたいです。
琴ノ若が小学生の時に通った柏市の相撲教室です。
きょうも地域の子どもたちが放課後に集まり、重いボールを投げたり、なわとびをしたりして、トレーニングをしていました。
先輩・琴ノ若について聞きました。
あこがれの存在です。自分も後輩の手本になるような存在になりたいです。
自分たちの先輩が大関になったというのは、すごいことです。ここで頑張って強くなったと思うので、自分もそうなりたいです。
教室の指導者の永井明慶さんにも、話を聞きました。
土俵の下では、優しくておっとりとした人柄でした。今も変わらず優しく、その分これまでは、星の取りこぼしがあったと思いますが、ここまで来たのは心の成長があったのではないでしょうか。
頑張れば夢をつかめることを証明してくれました。子どもたちにとっても大きな手本になったと思います。
横綱が彼の一番の目標だと思うので、実現してもらい、子どもたちの励み、希望になってほしいです。
松戸市の街の人たちにも受け止めを聞きました。
きのうは優勝するかと思って見ていましたが、残念でした。私からすれば孫のような年代なので、そういう気持ちで見ていました。
松戸で3代続く相撲一家なので、これからも頑張ってもらいたいです。
今朝のニュースで知りました。松戸出身とは知りませんでしたが、松戸からそういう人が出たというのはうれしいですし、元気づけられます。
テレビで佐渡ヶ嶽部屋の力士を見ると、頑張っているなとうれしくなります。以前、琴奨菊が昇進したときにも盛り上がりました。
けがには気をつけてもらって、優勝して松戸で凱旋パレードをしてもらえたら見に行きます。
いつも楽しみに見ています。千秋楽は、見ていて横綱との力の違いを感じましたが、これからは横綱になること、それだけを期待しています。