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野田佳彦 元総理は千葉14区(船橋東部・習志野)から 4区は新人

  • 2023年05月16日

衆議院の小選挙区の「10増10減」をめぐり、選挙区が2つに分割されることになった立憲民主党の野田元総理大臣は、新たにできる千葉14区から立候補する考えを明らかにしました。千葉4区には新人候補を擁立するということです。
すでに自民党は両方の区の公認候補となる支部長を決めていて、次の衆議院選挙に向けて各党が動き出しています。

野田元総理は新千葉14区から

5月16日朝 船橋駅前

次の衆議院選挙から適用される小選挙区の「10増10減」で、千葉県は小選挙区の数が1つ増えて14選挙区になります。千葉県第2の都市、船橋市の大部分からなる千葉4区が東西2つに分割され、新4区と新14区に再編されます。

千葉4区の議席を8期連続当選で守ってきた立憲民主党の野田佳彦元総理大臣は、このほど、船橋市東部と習志野市全域からなる新しい14区から立候補することを決めました。

5月16日の朝、船橋駅前で配ったチラシのなかでは、次のように記しています。

自分はどちらの選挙区を選択するか、もう1つの選挙区は誰に託すか、悶絶しながら考え抜いてきました。ライバル自民党の動きなども含めて総合的に勘案した結果、次のように政治判断しました。
「千葉14区」では、私が自民の有力新人を迎え撃ちます。維新などの党からも出馬の動きもあり、油断は禁物です。私にとっては政治生命に関わる大きな危機ですが、「危機」とは「危険」と「機会(チャンス)」が隣り合わせです。 【チラシより抜粋】

自民党は新人 高橋恭介氏

一方、自民党は、千葉14区に、新人で一般社団法人代表理事の高橋恭介氏(48)を擁立する方針をすでに決めています。4月28日、高橋氏は記者会見で次のように話しました。

これまでは1人の起業家だったが、今後は政治家として命と暮らしを守る。14区は働く世代が非常に多く、人口増加をしているエリアで、これまでの経験を生かして、子育て政策と継続的な賃上げ、この2つのテーマに取り組んでいきたいです。

新千葉4区は?

自民党は、船橋市西部と市川市の一部からなる新しい千葉4区に、元衆議院議員の木村哲也氏を擁立する方針です。野田元総理大臣と選挙を戦ってきた木村氏は、去年11月、NHKの取材に対して、次のように話していました。

本音を言えば、野田先生と分かれてというのはなきにしもあらずですが、違う選挙区をわざわざ選んで出ようとは全く考えておりません。最初から元総理大臣と戦う覚悟を決めていますから。相手が誰かというのではなくて、道路などインフラ政策の必要性などをしっかり訴えて政策本位の政治を理解をしてもらえるよう訴えていきたいと思います。

立憲民主党は新人 水沼秀幸氏

野田元総理大臣は、新4区に、新人で、現在、保険会社に勤務する水沼秀幸氏(32)を擁立したいとしています。5月16日朝、水沼氏は船橋駅前での活動を終えたのち、NHKの取材に対して次のように話しました。

船橋で生まれ育ち、小学校6年生の時に野田さんに初めて会って以来、20年間、野田さんの背中を追いかけてきました。けさ初めて、候補者として駅に立ちました。新興住宅地やマンションが建ち並び、若者や子育て世代も多い千葉4区で、しっかり活動していきます。

新・千葉4区と新・千葉14区とは

東京と千葉市のほぼ中間に位置する船橋市。
人口64万人で都内に通勤・通学する「千葉都民」と呼ばれる人も多くいます。
区割り変更前は、市の大半、人口の9割弱が4区、北東部などの1割あまりが周辺の鎌ケ谷市や白井市などとともに13区でした。

道路左側が新14区、右側が新4区(船橋市内)

今回の区割り変更で、船橋市の北東部は13区から抜けることになりました。
郵便番号がおおむね273から始まる船橋市の西部が市川市の北東部とともに4区に、郵便番号がおおむね274から始まる船橋市の東部が習志野市全域とともに14区です。64万人の船橋市民の人口は、2つの区にほぼ半々となります。

最新の有権者数は?

千葉県の3月30日現在のまとめでは、千葉4区と千葉14区の有権者数は以下のようになっています。

   船橋市   市川市   習志野市   在外  合計
 千葉4区   266,475   138,258      470   405,203 
 千葉14区   268,285      144,917    484   413,686 

どうなる、「野田王国」?

小泉元総理大臣による「郵政解散」の2005年、安倍元総理大臣が突然解散した2017年、与党が圧勝したこれら2回の選挙でも、千葉県内で、唯一、自民党が勝てなかったのが旧・4区でした。「千葉県は『保守王国』、船橋だけは『野田王国』」とも形容されます。

区割りの変更が発表されてからこれまで、地元では、「野田元総理大臣は千葉4区から出るのではないか」という予想が多く聞かれてきましたが、野田元総理大臣が選んだのは14区でした。
この判断に驚きの声が相次いでいる一方、自民党の関係者などからは「『野田王国』を崩すチャンスだ」という声も出ています。

この野田元総理大臣の決断を受けて、次の衆議院選挙に向けて、ほかの政党がどのように動くのか。今後の駆け引きが注目されます。

  • 金子ひとみ

    千葉放送局記者

    金子ひとみ

    船橋市担当。新・千葉4区に住んでいます。

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