美里町の夜空を照らした赤い光とレタスの関係は?
今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!
投稿者の方が写真も送ってくれました。
それがこちら。
確かに空が染まっていて不思議な光景です。
なぜレタスの栽培に赤い光が必要なのか、調査してきました!
さっそく美里町へ!
安藤さん 「美里町にやってきました。 このあたりでレタスを栽培しているそうなんですが…大きい!あれですかね。」 |
“レタス栽培”と聞いていたのですが、実際に行ってみると巨大な工場のような大きさ!(なかなか端が見えない…!)
ここでどんなレタスが栽培されているのか、施設を管理するブシャン ハスタックさんに案内してもらいました。
安藤さん 「建物のなか一面にレタスが栽培されていますが、ほとんど人がいませんね。」 |
実はこちら、「次世代型レタス生産植物工場」と呼ばれており、種まきから栽培までそのほとんどを自動化した最新の水耕栽培施設なんです!
さらにSDGsの観点から、なるべく電気を使わないよう、ガラス張りの屋根にして太陽光での栽培をメインにしたり、レタスの培地にはスポンジではなく圧縮した土を使用して、脱プラスチックを図ったりと、さまざまな配慮がなされています。
安藤さん 「次世代型のレタス工場のメリットというのはどんなところなんでしょうか?」 |
ハスタックさん 「どんな天気でもどんな自然でも、安定してものが作れることが一番のメリットだと思っています。 あとは人が4人だけいれば、この広い場所全て管理できるんです。」 |
栽培しているレタスは「リーフレタス」と呼ばれるもので、サニーレタスやロメインレタスなど6種類。
これらのレタスをサッカーコート7.5面分の敷地で育てています。
どうして”赤い光”?
夏場の最盛期には、1日4万2千個のレタスを出荷できるというこの工場。
安定した生産量を支えるもののひとつが”赤い光”でした。
日没が近くなると…
コンピューターで制御された屋根のシャッターが30分ほどかけて閉まります。
すると…
点きました!
赤というよりピンクに近いLEDの光です。
この光は通常、日没から工場が閉じる午後9時ごろまで点灯されるそうです。
なぜこの光が必要なのか、東北大学農学研究科の加藤 一幾(かとう かずひさ)准教授に伺いました。
加藤先生 「植物の生育、特に光合成には赤い色と青い色が重要です。 そのため植物工場などといった施設では、LEDを使って赤色と青色の光を当てます。」 |
植物が光合成をおこなうときによく吸収するのが、赤色と青色なんだそうです。
この2つの色を合わせるとピンク色になり、これを当てると光合成が活発になって、成長促進につながるということです。
加藤先生 「天気が悪かったりすると、植物にとって光が足りない状態になりますので、そこをLEDで補光することによって安定した供給と、安定した性質の野菜を作ることができるというメリットが非常に大きいかと思います。」 |
今回「美里町の夜空が赤く染まる」ということで投稿がありましたが、工場によると「今年の夏は非常に暑く、何度かシャッターを開けてLEDを点灯させたため光が漏れた」ということです。
現在は日没後にシャッターを閉めることを徹底しているようで、美里町の夜空がピンクに染まることはないだろうということです。
安藤のひとこと。
安藤さん 「不思議な光のもとをたどってみると最先端の野菜工場にたどり着きました。 いろんな気候変動などの問題がある中で、こうした技術が農業の未来を照らす光になれば良いなと思いました。」 |
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