泉区にあった「カリヨンの鐘」、今はどうなってるの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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カリヨンは、主にオランダやフランスなどで作られる西洋の鐘のことで、自由や平和の象徴とも言われているそうです。

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さっそく現地へ!

投稿にあった泉区館(やかた)地区へやって来ました。
カリヨンがあったのは、団地の中心部にあるこの塔。

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高さ15メートルのてっぺんには、今は何もない状態です。
以前は画面左のような姿で、複数の鐘がメロディーを奏でていました。

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鐘の歴史を調査!

詳しい話を町内会長の高島 美之(よしゆき)さんに聞きました。

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安藤さん
「そもそもこのカリヨンの鐘、いつ頃設置されたものなんですか?」
高島さん
「始まりが1982年ですね。去年の段階でちょうど40年だったんです。」

この地区では、1978年から団地の開発がスタート。
1982年から入居が始まりました。

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カリヨンは「地域のシンボルに」と団地を開発した不動産会社が設置。
その後、不動産会社は地域を離れ、鐘は町内会に引き継がれ、40年間休まずにその音を響かせてきました。

20230601_samazama.jpg(実際の音はぜひ動画で!)


鐘の今とこれから

高島さんがこの地区に引っ越してきたときには「当然のようにあった」というカリヨンの鐘。
東日本大震災の後も、変わらず鳴り続けていたといいます。

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安藤さん
「3.11のときは無事だったんですよね。」
高島さん
「3.11はしっかりと乗り越えたといいますか。今日も鐘が鳴ってるっていう日常が続いてたということなんですけど。」


しかし、去年3月の大地震で台座部分に大きなズレが発生。
安全を考慮し、取り外すことになりました。

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鐘は現在、塔の中に保管中です。

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カリヨンの鐘について、地域の人はどう思っているのか聞いてみました。

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「あれはもう本当に館のシンボルとして大切なものだと思ってました。」
「今まで普通に日常だったのがいつの間にか鳴らなくなってたねって。」

町内会では、およそ2000世帯にアンケートを実施。
50%以上が「カリヨンをまちのシンボルだと思う」と回答した一方、「そう思わない」と答えた人もおよそ20%ほどいたそうです。
さらに、復旧には多額の費用がかかることが分かっていて、カリヨンの今後の方向性はまだ決まっていません。

高島さんによると、保管中の鐘をリサイクルする場合は費用の見積もりが難しく、仮に新しいものに買い替えると1000万円以上になる見込みとのことでした。
また、こちらは公共物ではなく私有物ということで、行政からの復旧費用の補助なども難しいのだそう。
町内会では、カリヨンを復活させるかどうか、また復活させるとすれば費用を抑えるにはどんなやり方があるかを、今も検討中だそうです。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「皆さんの地域にもシンボルのようなものがあるかもしれませんが、それをどう管理していくのか、そしてそれが損なわれたときにどうしていくべきなのか
そんなことを入り口に、ぜひお住まいの地域の街づくりについて考えるきっかけにしていただけたらと思います。」





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