仙台駅前のガス灯、いつ・どんな目的で作られたの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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こちらがそのガス灯。

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身近にあるけれど、意外と詳しくは知らないという人も多いのでは?
ということで調査してきました!


投稿を寄せてくれた人に会ってみた!

今回投稿を寄せてくれたくださった小池 定夫さんにお話を聞きました。

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小池さん
「こちらでバスを降りるんですよ。
そのときいつも街路灯が気になりまして、いつごろどんな目的で設置されたのかが疑問になりまして。」


このガス灯は、日没の時刻になると地下からガスが送られバーナーが点火。
マントルと呼ばれる部分が熱せられて発光する仕組みです。


せっかくなので、つく瞬間を待ってみることに。

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安藤さん
「わぁ、いまガス灯がつきました。
こんな風に柔らかい感じでつくんですね。」



ガス灯はどこにあるの?

ふんわりとした優しい光で照らすガス灯。
現在稼働しているガス灯は8基で、地図で赤く示したところにあります。

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もともと仙台のガス灯は110基あり、一時は全国1位の設置数でした。

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しかし今ではそのほとんどが、老朽化のためLEDに代わりました。


設置への思い

今回、このガス灯の設置に携わった勝山 卓郎さんにお話を聞くことができました。

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勝山さん
「駅前はそのころ雑然としていて、ガス灯を街のシンボルにしようと考えたんです。」

ガス灯が設置された1980年代半ばは、新幹線が走り、地下鉄の工事が始まり、仙台市が大きく変化しようとしているときでした。

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街路灯を新しくする計画が持ち上がり、仙台市と商店街は話し合いを重ね、当時すでに姿を消しつつあったガス灯をあえて選ぶことにしたといいます。

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勝山さん
「どうせならカッコいいものをつくろうということで、イギリスにあるガス灯みたいなのをつくろうという話になった。」

ロンドンのように、仙台市もぬくもりのある明かりで夜を照らそうと考えたのです。
そして検討の結果、本場ロンドンからガス灯を空輸することにしました。

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さらに勝山さんたち商店街は一工夫。
仙台らしさを出すために、当時NHKの大河ドラマで全国的にブームになっていた伊達政宗像を取り付けることにしたのです。

20230302_masamune.jpg(よく見るとかなり精巧な作りです…!)

そして1987年7月、110基のガス灯に明かりがともりました。

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その後も商店街の人たちで掃除をするなど、大切にしてきたガス灯。

実は今年度中にすべてのガス灯がLEDになる予定だったのですが、商店街の人たちの声により、8基だけはガス灯のままで残ることになったんです。
駅前商店街振興組合によると、「先輩たちが仙台を思いつくったガス灯。私たちも愛着があり、残したいと思いました。」と話していました。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「効率で考えればやはりLEDに置き換わっていくということは仕方ないのかなと思いますが、ガス灯が持つあたたかさ、これが照らす街の景観というのは何物にも代えがたいものがあると思います。
設置したかたの街への思い想像しながら、たまに上を見てガス灯のぬくもり感じてほしいなと思います。」





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