牛タンはどうして仙台名物になったの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの疑問にお応えします!

と、その前に…

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安藤さん、なにやら大きな箱を持っています。

実はこちら、いつもネット上で集めている皆さんからの質問を、直接集めるために作った「投稿ボックス」です!
今回はジャス隊員が街に出向いて、皆さんから直接、質問をお寄せいただきました!


仙台駅前で募集!

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仙台駅にやってきたのは、ジャス隊・中里隊員。(元気いっぱい!)
お寄せいただいた質問から、今回はこちらを調べることに。

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アンドレアさん
「なんで牛タンは仙台で一番有名か気になりますね。
ぜひ教えて下さい!」

ブラジル出身で、仙台在住20年というアンドレアさん。
牛タンがなぜ仙台名物なのか気になっていたそう。


知るためにはまず食べてみないと!!!

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隊員
「かめばかむほど旨味が出ておいしいです!
炭火の香ばしさがたまらないですね…!」

牛タンをかみしめる中里隊員。
本当においしそうに食べていました。(うらやましいです)


どうして牛タン?

どんな歴史があるのか探るべく向かったのは富谷市です。

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牛タン販売歴35年、仙台牛タン振興会の小野 博康さんにお話を伺いました。

小野さん
「今から70年以上前、牛タンの美味しい食べ方を開発した方が仙台にいらっしゃいまして、そこから仙台名物になったといわれる所以でございます。」

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まだ戦後の食糧難の時代、当時は食べる習慣がなく、安く手に入った牛タンに注目したのが佐野 啓四郎さん。
佐野さんはおよそ2年かけて牛タン焼きを開発したといいます。


「牛タン定食」に込められた思い

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仙台の牛タンの定番といえば、牛タン定食ですよね。
牛タンと麦飯、一夜漬けにテールスープというセットになじみがありますが、これにも理由がありました。

麦飯は、白米より安い麦を混ぜることで量を多くでき、一夜漬けは古漬けよりもカサが減らない。
そしてタンと同じく使われていなかった、牛の「しっぽ」を使って作ったテールスープ。
それまで使われていなかった部位を使ったり、安く手に入るものを工夫して調理したりすることで、「人々をおなかいっぱいにして、苦しい生活を乗り越えよう」という思いが込められたメニューだったのです。


牛タンを全国に広めようとした人も

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牛タンを「仙台名物」として全国に広めるのに大きな役割を果たしたのが、牛タン専門店を次々とオープンさせた、大川原 要さんという方だそうです。

小野さん
「大川原さんが仙台駅前に2号店をオープンした際、なんとか牛タンを全国に広めようという思いが強くあったと思います。それでキャッチコピーとして自分で『仙台名物』とうたったのだと思います。」

戦時中は特攻隊員だったという大川原さん。戦友には国会議員など著名人も多く、その人たちが大河原さんの店を、仙台の牛タンを盛り立てようと各地でPRしていたのだそう。
小野さんによると、過酷な戦争を生き残った者同士、いまでは考えられないような信頼関係やパイプがあったのだろうということでした。


質問を頂いた方に報告してみると…

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質問を寄せてくれたアンドレアさんを訪ね、調べて分かったことをお伝えしました。

アンドレアさん
「牛タンがそういうかたちでできたと思わなかった!
すごく面白い。私の国の食べ物と似ています。」

アンドレアさんは、牛タンとブラジルの「フェイジョアーダ」という国民的な料理に共通点があると教えてくれました。

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フェイジョアーダは、豚の耳やしっぽを使った煮込み料理です。
ブラジルも昔は食べるものがなく、一般的ではなかった部位をおいしく調理することで、苦しい生活を乗り越えようとしてできたものだといいます。

アンドレアさん
「すごく似ている。仙台に来てよかった。
いっぱい調べて頂いて本当にありがとうございます。オブリガーダ!(ありがとう!)」


安藤のひとこと。

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安藤さん
「戦後の本当に大変な時代だからこそ、これだけの思いを込めて開発されたからこそ、時代を超えて国境まで越えて愛される、そんな仙台名物に育ったんだなぁと感じました。」


編集後記

食べるものがない時代、なんとかして人々のお腹を満たしたいという思いで開発された牛タン。
今回質問をいただいたアンドレさんの故郷・ブラジルでも、同じ思いで作られた料理があると知り、どの国もどんな時代も、苦しい生活を乗り越えようとする思いは共通なんだと感じました。

とても遠いと思っていた国との思わぬ共通点を知り、今までよりも親近感を持つことができました。
他の国にも同じようにして作られたメニューはあるのか、機会があればじっくり調べてみたいです。

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