「頻尿・尿漏れ 尿のトラブル」② ~トイレが心配 過活動膀胱(ぼうこう)~

24/04/09まで

健康ライフ

放送日:2024/03/12

#医療・健康#カラダのハナシ

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【出演者】
巴:巴(ともえ)ひかるさん(東京女子医科大学附属足立医療センター 教授)
聞き手:星川幸 キャスター

過活動膀胱とは

――東京女子医科大学附属足立医療センター教授で、泌尿器科が専門の巴ひかるさんに伺います。
「過活動膀胱(ぼうこう)」、最近よく耳にする病気ですね。

巴:
はい。「過活動膀胱(ぼうこう)」とは、突然の尿意でトイレに行きたくなる、日中や夜中に何度もトイレに行く、トイレまで我慢できずに漏らしてしまう、など、尿をためる機能に関わる症状が現れる病気です。男女問わず、40歳以上の7~8人に1人が過活動膀胱であることが分かっています。
トイレが心配で旅行に行けない、漏らしてしまうので外出できない、などと考えてしまい、生活の質を落としてしまう可能性がある病気なんです。

――40歳以上の7~8人に1人というと、結構多いですね。
過活動膀胱になってしまうのはどうしてですか。

巴:
原因の1つと考えられているのが、脳や脊髄と膀胱を結ぶ神経のトラブルです。脳が指令を出し、脊髄を通って膀胱に伝わり、膀胱が収縮し、尿道が広がることで尿を出すことができます。けれども、脳から指令を伝える神経や脊髄に障害が起きると、膀胱に十分な尿がたまっていないのに膀胱が収縮してしまい、突然尿をしたくなってしまいます。
また、脳や脊髄に問題がなくても、「前立腺肥大症」や、女性ならではの病気で、膀胱や子宮などが膣(ちつ)から出てきてしまう「骨盤臓器脱」などがある人の、およそ半数で過活動膀胱が起きてしまいます。

過活動膀胱セルフチェック

――自分で過活動膀胱になっているかどうか、どうすれば分かるんでしょうか。

巴:
では、過活動膀胱のセルフチェックを紹介しましょう。
全部で4問、当てはまる項目を数えてください。

――皆さんも一緒にチェックしてください。
過活動膀胱のセルフチェック、お願いします。

巴:
✓ 朝起きたときから寝るときまでに、8回以上尿をする
✓ 夜寝てから朝までに、1回以上尿をする
✓ 急に尿がしたくなり、我慢が難しいことがある
✓ 急に尿がしたくなり、尿を漏らすことがあった

4つの症状のうち、3つ目の〝急に尿がしたくなり、我慢が難しいこと〟が「週に1回以上」あって、そのほかに1つ目、2つ目、4つ目の症状がある場合、過活動膀胱の可能性があります。

――皆さん、いかがでしたか。

巴:
一般的に、過活動膀胱は加齢とともに増えていく病気で、40歳以上で増えてきます。

過活動膀胱かもしれない、と思ったら

――では、過活動膀胱かもしれないな、と思ったら、どうすればいいでしょうか。

巴:
はい。まずは、医師に相談することが重要です。膀胱の過剰な収縮を抑える作用がある薬、また、膀胱の筋肉を緩めて尿をためやすくする作用がある薬を使って、治療をすることができます。
また、生活習慣の見直しも行います。

――生活習慣の見直しですか。それはどのようなものですか。

巴:
1日の尿量はおよそ1,500ml前後なんですけれども、それに合わせて過剰な水分摂取を控えたり、カフェインの摂取を控えるなど、生活習慣を見直すことは「頻尿」「切迫性尿失禁」の改善をする上で大切です。
あらかじめ、トイレの場所を確認しておく、時間に余裕を持って行動する、などの工夫をしていきましょう。
また、寝室の変更や、ポータブルトイレの使用など、トイレの場所を近くすることも有効です。

――高齢の方など、水をできるだけこまめにとることを心がけている、という人もいると思います。
水分の摂取量は、どう決めればいいんでしょうか。

巴:
確かに、水分摂取量を決めるのは難しいです。すでに十分飲んでいるのに、もっと飲んだほうがいいと思って飲んでしまう人も多いです。
なので、専門医では、水の摂取量や尿量などを1回ごとにきちんと計測して、2~3日分日誌をつける「排尿日誌」というものを参考に、その人の適正な水分摂取量をアドバイスしています。

――気が付いたら相談したほうがいい、ということですね。
では、最後に今回のポイントをお願いします。

巴:
過活動膀胱には、薬と生活改善が有効。


【放送】
2024/03/12 「マイあさ!」

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