【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2022年11月6日(日)放送の<DJ日本史>でお届けしたのは、『黒船来航を予言した人々』。
江戸時代末の1853年、アメリカのペリーが4隻の軍艦を率いて三浦半島の浦賀沖に現れ開国を迫った、いわゆる「黒船来航」。当時の人々を驚かせたこの事件、実ははるか前に予測していた人たちがいました。
鎖国下の日本で、彼らはなぜ「黒船来航」を予言できたのでしょうか?


「黒船来航」を予言した渡辺崋山(わたなべ・かざん)と佐久間象山(さくま・しょうざん)。
2人が先を見通すことができた理由を見ていきましょう。


渡辺崋山が的確な予測をできた大きな理由、それは西洋の事情に明るい蘭学者と交流を重ねていたから。
世界の最新情報に通じていたわけですね。

彼は、その生涯ですごい人脈をはりめぐらしました。
後に彼は「尚歯会(しょうしかい)」というグループの中心的存在になります。
「尚歯」とは、元々お年寄りを敬うという意味。
つまりこの「尚歯会」、文字の上では敬老会という意味ですが、これは世をはばかってつけた名前で実態はさにあらず。その実際の活動は、西洋の最新情報を持ち寄って政策を論じ合うこと。
しかもそのメンバーたるや、当代一流の面々。蘭学者だけでなく、幕府で高い役職につく武士も加わっていました。

また佐久間象山は、幕府の秘密報告書に触れ、これを元に将来を予測していた可能性があります。
その秘密報告書の名は「別段風説書(べつだんふうせつがき)」。
これは幕府が、交易を許していたオランダに求めて定期的に送らせていたレポートで、イギリスが中国に侵攻したアヘン戦争の状況や植民地政策についての情報などが記載されていました。
佐久間象山は、仕えていた藩主が幕府の老中だったことから、この秘密レポートを見ることが出来たと考えられるのです。

DJ日本史「黒船来航を予言した人々」①

DJ日本史「黒船来航を予言した人々」③