【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2022年11月6日(日)放送の<DJ日本史>でお届けしたのは、『黒船来航を予言した人々』。
江戸時代末の1853年、アメリカのペリーが4隻の軍艦を率いて三浦半島の浦賀沖に現れ開国を迫った、いわゆる「黒船来航」。当時の人々を驚かせたこの事件、実ははるか前に予測していた人たちがいました。


黒船来航のはるか以前、32年前の時点で、こんなことを述べた人物がいます。

「太平洋と呼ばれるこの海の向こうには、アメリカという国がある。そのアメリカは、思っているほど遠くはない。日本を守るには、江戸湾の入り口にあたる三浦半島の地・浦賀が防衛の要になるだろう」

なんと、黒船が実際にやってきた「浦賀」の名前まで出しています。
このことを述べたのは、蘭学者で画家としても知られた人物、渡辺崋山(わたなべ・かざん)。このとき28歳でした。

さらにこの渡辺崋山、注目すべき絵も残しています。
描かれているのは浦賀のある三浦半島の景色と外国船の艦隊のような船団ですが、これを描いたのは黒船来航の12年前。崋山は、外国と向き合う時代が来ることを強く意識していたようです。

実際、ペリーの後にはせきを切ったように西洋諸国が次々と日本に接近してきますが、そんな時代を予見した人物が他にもいました。
あの勝海舟や吉田松陰を教え導いた思想家、佐久間象山(さくま・しょうざん)。
ペリー来航の11年前、31歳のとき、すでに幕府に対して行った提言の中でこんなことを言っていました。

「西洋のイギリスはこの先、日本にとって不利益な交易を求めてくるだろう。そのとき日本が拒否すれば、軍艦を差し向けてくるだろう」

現実に後の1863年には、イギリスと薩摩藩が戦った薩英戦争が起きています。
佐久間象山の目には、日本の将来がはっきり見えていたのかもしれませんね。

DJ日本史「黒船来航を予言した人々」②