【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2023年2月12日(日)放送の<DJ日本史>のテーマは、『歴史の中のパワハラ対処法』。身分制度があり上下関係も厳しかった時代は、主君のかんに障ればとんでもない仕打ちを受けることもありました。そんなとき、当時の人はどうやって上役の難癖やむちゃぶりをかわしたのでしょうか?

パワハラは、上の立場の人にとっても頭を悩ませる重大な問題。
例えば注意の仕方一つとっても、パワハラにならないようにするにはどうすればいいのか、しこりを残さないためにはどうすればよいのか、悩んでしまいますよね。

ここでは、戦国時代に豊臣秀吉の軍師を務めた黒田官兵衛の叱り方を見ていきましょう。
官兵衛は家来を叱るとき、しこりを残さないようある工夫をしていました。
その方法は実に具体的。叱る前と叱った後に、いつも実践していたことがありました。
名軍師・黒田官兵衛が編み出した“部下に嫌われない叱り方”とは?


その1、叱る前にどうしたか?

普段はよくやっている家臣がおろかなことをしてしまったとき、官兵衛が叱る前にやっていたことがあります。
それは、褒美を与えること。
まずは、日頃の行いのよい部分を褒めたたえます。
叱りつけるのは、その2~3日後。
再び家臣を呼びつけ、今度は悪い点を指摘して叱りました。
つまり官兵衛、褒めるのと叱るのをワンセットで行った、というわけですね。
そうすることで、家来に恨みを残さないようにしました。

ちなみに、このやり方はもう一つ、いいところがありました。
とかく、家来に褒美を与えるとその家来がいい気になってつけあがってくることもありますが、そうしたことがなくなったのです。
褒美をもらっても、この後に叱られるかもしれない。家来たちは、そう思うようになったんですね。

その2、叱った後はどうしたか?

官兵衛は、叱られてその場を下がろうとする家来に対し、行っていたことがあります。
それは、ちょっとした簡単な用事を言いつけること。
こうすると家来の方は、ああ、主人に愛想を尽かされてしまった、なんて誤解しません。
まだ自分を頼りにしてくれている、そう思うわけです。

さらに、このやり方にはもう1つ利点があります。
家来が用事を終えて報告に来たときその労をねぎらってやれば、わだかまりを解くこともできたのです。

軍師官兵衛の叱り方、皆さんはどう思いますか?

DJ日本史「歴史の中のパワハラ対処法」①

DJ日本史「歴史の中のパワハラ対処法」②