【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年4月14日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「平安貴族の人事異動」。上下の序列がびしっと定まった朝廷の貴族にとって、人事異動は最大の関心事。よい官職に就けるかどうかで、自分の人生ばかりか一族の運命も決まったからです。彼らの出世は、何によって決まったのでしょうか?

ここでは「出世の方法」ではなく、「出世のためにこれだけはしてはいけないこと」を見ていきます。
とりあげるのは藤原兼家(ふじわらのかねいえ)、あの藤原道長の父親の例です。

藤原兼家が藤原家のトップに立つ以前のこと。兼家には強力なライバルがいました。それは4歳上の実の兄である藤原兼通(かねみち)です。
この2人は、どちらが関白につくか、天皇の御前で言い争いをするほど仲が悪かったのですが、結局は兄の兼通が関白に就きました。

その後のある日のこと。
藤原兼家の元にある知らせが飛び込んできました。関白だった兄の兼通が、重い病に倒れもうダメだ、というのです。野心家の藤原兼家にとっては、関白につける絶好のチャンスが巡ってきました。

ところが兼家は、ここで大失敗をしてしまいました。
出世のチャンスをピンチに変えてしまった、そのしくじりとは?


兄・兼通の状況を知り藤原兼家は屋敷を出発、道を急ぎます。
やがて、兄・兼通の屋敷が近づいてきました。

一方、病床にあった兄の兼通はそれを知って言います。
「あの弟とはずっと仲が悪かったが、もう最期のときだと知って見舞いに来てくれたのだろう」

ところが、です。
弟・兼家は兄の屋敷を素通りして御所に入っていきました。そして、天皇にこう訴えたのです。
「次の関白は、この私にお任せください」
これが大失敗。思わぬことになってしまいました。

なんとその場に、息も絶え絶えの兄の兼通が息子たちに支えられて現れたのです。そして怒りもあらわに、こう言います。
「関白として、最後の除目を行いますぞ!」

この最後の除目で、兼通は次の関白に弟の兼家でなく別の者を指名。そればかりか、弟・兼家に対しては職を剥奪する降格人事まで発令しました。
もともと兼通は弟の兼家に関白を譲ることを考えていたのですが、兼家の先走った行いで、すべてが水の泡になってしまったのでした。

光る君へ

日曜日 [総合] 午後8時00分/[BS・BSP4K] 午後6時00分

詳しくはこちら

DJ日本史「平安貴族の人事異動」①

DJ日本史「平安貴族の人事異動」②