【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年4月14日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「平安貴族の人事異動」。上下の序列がびしっと定まった朝廷の貴族にとって、人事異動は最大の関心事。よい官職に就けるかどうかで、自分の人生ばかりか一族の運命も決まったからです。彼らの出世は、何によって決まったのでしょうか?

ポストを狙う上で重要なのは、引き上げてくれる人がいるかどうか。
大物の権力者に気に入られれば安泰ですが、そんな大物にはみんながすり寄ります。ですから、時の権力者に目をかけてもらおうと思っても、ライバルが多くて難しいのが実状。

そこで貴族たちは誰に取り入ろうとしたか?
その相手について、あの清少納言が「枕草子」に書き残しています。


除目、すなわち人事発令の時期が来ると貴族が足を運んだ先とは、宮中の女性たちでした。彼女たちは天皇や皇后と顔を合わせるので、なんとか取り次いでもらおうとしたのです。
「どうか帝に、よろしくお伝えください」
そんな陳情をしたそうです。

もっとも、女性たちのまなざしは冷ややか。清少納言は「枕草子」に、こう書いています。
「年老いた白髪の人がやって来て、自分がどれだけ優れているか必死に話している。しかし、そんな姿を若い女房たちは陰でマネをして笑っている。本人は知らないでしょうけれど」

それでも、女性の力は侮れません。中にはこんな例もありました。
年は40代後半で当時としては高齢、家柄もそれほど高くない貴族で、高階成章(たかしなのなりあき)という人物がいました。この高階成章、誰もが大した出世はできないと見ていましたが、ある出来事で運命は一転します。
それは、結婚。相手は、賢子(けんし)という名の女性でした。

この賢子は紫式部の娘で、天皇の皇子の乳母にも抜てきされた人物。
やがて、その皇子が天皇に即位すると賢子は昇進。それにつれ、夫の高階成章もどんどん出世していきます。
そしてついには成章66歳のとき、公卿(くぎょう)になって上級貴族の仲間入りを果たしたのでした。

光る君へ

日曜日 [総合] 午後8時00分/[BS・BSP4K] 午後6時00分

詳しくはこちら

DJ日本史「平安貴族の人事異動」①

DJ日本史「平安貴族の人事異動」③