【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年2月18日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「度胸で勝負!のつわものたち」。
予想外の事態に直面してもあわてない、どんなに強い圧力で脅されようとひるまない。そんな、どーんと肝っ玉の据わった態度で歴史を変えてしまった人物がいます。その、生きざまとは?

幕末、窮地にあった将軍・徳川慶喜(よしのぶ)を度胸一つで支え続けた人物がいます。その人物とは、町火消しの頭だった新門辰五郎(しんもんたつごろう)

2人が出会ったのは慶喜がまだ将軍になる前のことでしたが、この出会いから度胸の塊の新門辰五郎は幕末の歴史に深く関わっていくことになりました。


いよいよ幕末の動乱が激しくなってきた1863年、徳川慶喜は京都に上ります。
慶喜はまだ将軍に就く前でしたが、攘夷(じょうい)派と開国派が激しく対立し血で血を洗うテロが繰り返される渦中に飛び込むことになったのです。
ここで新門辰五郎、一肌脱ぎます。
慶喜の身に何かあっては一大事! と、子分200名を連れて京都に駆けつけたのです。

なぜ、武士でもない火消しが慶喜の警護を買って出たのか? これにはわけがありました。
慶喜は御三卿の1つ一橋家の当主でしたが、御三卿は御三家と違って城持ちの大名ではなく大きな軍事力を持ちません。供回りの者もわずか。つまり、命をかけて守ってくれる家来が少なかったのです。

ですから、度胸一つで命を張って尽くしてくれる新門辰五郎は、慶喜にとって心強い存在でした。そして実際、多くの面倒な役目を辰五郎は買って出ます。

1868年、旧幕府軍と新政府軍が戦った鳥羽伏見の戦い直後のこと。
徳川慶喜は大坂城を脱け出しますが、このとき、将軍代々のシンボルである馬印が城に残されたままになってしまいました。
これを辰五郎、取りに戻ります。そして混乱の中、馬印を無事に江戸城まで届けることに成功、徳川の名誉を守りました。

また、新政府軍が江戸城に迫ってきたときは江戸の町に放火、火の海にして迎え撃つという大胆な作戦も考えられましたが、その実行役を任されていたのが新門辰五郎でした。

人並み外れた肝の太さで鳴らした新門辰五郎。そんな男が慶喜の側に居続けた意味、大きかったかもしれませんね。

DJ日本史「度胸で勝負!のつわものたち」①

DJ日本史「度胸で勝負!のつわものたち」③