【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年2月18日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「度胸で勝負!のつわものたち」。
予想外の事態に直面してもあわてない、どんなに強い圧力で脅されようとひるまない。そんな、どーんと肝っ玉の据わった態度で歴史を変えてしまった人物がいます。その、生きざまとは?

明治維新の立役者の一人、岩倉具視(いわくらともみ)は、なかなか肝っ玉の太い公家でした。
その岩倉が成し遂げたことの一つが1867年の「王政復古の大号令」。それまでの幕府中心の政治体制から天皇中心の体制に変え新政府を樹立した、という出来事です。

これは実のところ、軍事力も動員して強行した政変でした。
当時は徳川も取り込んだ形の政治体制をめざす勢力もあったのですが、岩倉具視は薩摩藩の大久保利通や西郷隆盛と協力し、不意打ちで一気に徳川を排除することを狙ったのです。

決行の日時は慶応3年12月9日の早朝。
ところがこのとき、予想外のアクシデントが発生してしまいました。


この政変劇、手はずはこうでした。
まだ日も上りきらない朝6時、薩摩や土佐など5つの藩の兵が出動、朝廷の御所のすべての門を固める。そして幕府に近い人々の立ち入りを制限。その上で、徳川を排除した形で新政府の樹立を決定する。
ところがこのシナリオ、想定通りには進みませんでした。

何の手違いか、門を固める藩の一つ尾張藩がフライング。予定の4時間前、まだ深夜の午前2時にどやどやと御所に押し入ってしまったのです。そして、御所にいた公家に知られてしまいました。
もしや、計画は漏れてしまったか?

この知らせを聞いた岩倉具視の反応が、実にど~んとしていました。
このとき岩倉は仲間たちと屋敷で待機していたのですが、事の次第を知るや、こう言います。
「事の行方は天のみが知る。たとえ失敗して死んでも、後世に恥じることはない」
そして、なんと! 大きないびきをかいて寝てしまったのです。すごい肝っ玉の太さですよね。

結局、思わぬアクシデントはフライングした尾張藩の武士がうまく言い逃れをし、事は思惑通り進んでいきました。
ちなみに岩倉は目を覚ました後、周囲の人にこう語ったそうです。
「百計尽きたときは眠るのがいい。気分がすっきりして、またいい知恵も出る」

DJ日本史「度胸で勝負!のつわものたち」②