会収入を不記載「秘書に
任せていて…」工藤政務官

国土交通省の工藤彰三政務官が代表を務める政治団体が、支援者から会費を集めた集会の収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかりました。工藤氏の事務所は記載に漏れがあったことを認め、先月、収支報告書を訂正しました。

ホームページなどによりますと、工藤氏が代表を務める政治団体「彰友会」は平成26年から27年にかけて支援者から会費を集めた「総会」や「国政報告会」を名古屋市のホテルで3回、開いています。

政治資金規正法は、対価を徴収して行われる催し物を「政治資金パーティー」に当たるとしていて、すべての収入を収支報告書に記載することを義務づけていますが、「彰友会」の収支報告書には当初、こうした集会などの収入について一切記載がありませんでした。

工藤氏側は記載に漏れがあったことを認めて先月、収支報告書を訂正し、平成26年分は収入・支出とも108万円、平成27年分は収入が190万円、支出が162万円だったと新たに記載しました。

また、ホームページなどによりますと、工藤氏が代表を務める「自民党愛知県第四選挙区支部」も平成26年に支援者を集めた集会を開いていましたが、この収入や支出も収支報告書に記載されていませんでした。

工藤政務官「秘書に任せていて…」

これについて、工藤政務官は国会内で記者団の取材に応じ、「秘書に任せていて、政治資金パーティーという感覚はなかったが、確認していない自分にも責任がある。国民から支援してもらっているにもかかわらず、チェックが甘かった。不手際があったことをおわびしたい」と陳謝しました。

そのうえで、「指摘を受けて専門家に相談したところ、修正するのが当然だと言われたので、過去にさかのぼって、収支を見直した」と述べ、収支報告書を訂正したことを明らかにしました。

一方、記者団が進退について質問したのに対し、「しっかり政務を全うしていきたい」と述べました。

官房長官「政治家としてしっかり説明を」

菅官房長官は午前の記者会見で、「政治家として、工藤議員自身がしっかりと説明すべき問題だと認識している」と述べました。

立民 枝野氏「しっかり指摘する」

立憲民主党の枝野代表は東京都内で記者団に対し、「『わざとすねに傷を持っている人を集め、より大きな問題を隠そうとしているのではないか』と勘ぐりたくなる。報道のとおりであれば、違法なことなので、しっかり指摘していきたい」と述べました。

国民 玉木氏「法の趣旨に全く反する」

国民民主党の玉木代表は国会内で記者団に対し、「何人かを集めたパーティーをしているのに、全く政治資金収支報告書に記載がないというのは、およそ考えられないことだ。『収支を明らかにすることで政治資金の透明化を図る』という法の趣旨に全く反する、逸脱したもので、まずは本人が説明責任をしっかり果たすことを求めたい」と述べました。

共産 小池氏「政務官を辞めるべき」

共産党の小池書記局長は記者会見で、「単なる計算違いやミスで書き漏れがあったということではなく、全部書いていないわけで、意図的な隠蔽と見られてもしかたがない。『政治資金規正法に対し、真っ正面から挑戦してきている』と言わざるをえないようなやり方で、当然、政務官を辞めるべきだ」と述べました