国間主義が平和や安定
もたらした」新EU駐日大使

EU=ヨーロッパ連合の新しい駐日大使が都内で会見し「多国間主義こそ平和や安定をもたらしてきた」と国際協調の重要性を訴えて、アメリカのトランプ政権が進める保護主義的な政策をけん制しました。

先月、EUの新しい駐日大使に着任したドイツ人のパトリシア・フロア氏は9日、都内の日本記者クラブで会見しました。

フロア新大使は、ジャーナリストや歴史の研究者をへて外交官になり、日本に駐在するのは初めてです。

会見の中でフロア大使は「雇用が改善し、貧困が減るなど多国間主義が多くの成果を生み出し、地域に平和や安定をもたらしてきたのは、歴史を見ても明らかだ」と述べました。

そして「世界で保護主義や自国第一主義が台頭し、多国間主義が危機に直面している」と述べたうえで「われわれは理念を守り続ける」と国際協調の重要性を訴えて、アメリカのトランプ政権が進める保護主義的な政策をけん制しました。

そして日本とEUがことし7月に署名したEPA=経済連携協定について「多国間主義や自由公正な貿易に一致して取り組んでいこうという決意の表れだ」と述べ、新しい駐日大使として、EPAをきっかけに日本とEUの関係の発展に努める考えを示しました。