首相 “コロナ対策実行で
早期解散判断”参院代表質問

国会では、14日の会期末を前に参議院で代表質問が行われました。

岸田総理大臣は、衆議院の解散について、新型コロナウイルスによる影響で今も国民の多くが大きな不安を抱いているとして、思い切った対策を速やかに実行するため、可能なかぎり早い時期に解散を行うことにしたと強調しました。

公明 山口代表「国産ワクチン・治療薬の開発支援急務」

公明党の山口代表は新型コロナウイルス対策をめぐり「国産のワクチン・治療薬の開発・実用化を強力に支援することが急務だ」と指摘しました。

岸田総理大臣は「希望するすべての方へのワクチン接種を11月の早い時期には完了することを目指し着実に進めていく。国産ワクチンを含め産学官の研究開発を集中的に支援するとともに、製造拠点の整備、薬事承認プロセスの迅速化などに取り組む」と述べました。

また、山口氏は子育て世代への支援策をめぐり「出産費用は年々増加傾向にあるため、実態を把握したうえで出産育児一時金の増額を行うべきだ」と求めました。

岸田総理大臣は「出産育児一時金は費用実態を踏まえた支給額の検討などを行っていく。公明党とともに子どもを産み育てやすい社会の実現に向けて子どもの視点に立った政策を推進していく」と述べました。

日本維新の会 片山共同代表「規制改革推進会議など廃止のねらいは」

日本維新の会の片山共同代表は「『アベノミクス』第3の矢である成長戦略、とりわけ規制改革は不十分のままというのが定説だ。日本経済の成長のためには構造改革を思い切って進めることが必要だ。岸田総理大臣は規制改革推進会議などの廃止や改組に言及したが、ねらいを聞く」とただしました。

岸田総理大臣は「私が目指すのは成長と分配の好循環による血の通った成長だ。『新しい資本主義』のビジョンの具体化を図るため『新しい資本主義実現会議』を創設する。また、デジタル改革と規制制度改革を車の両輪として一体的に改革を進めていくべく、適切な推進体制を用意していく」と述べました。

国民 大塚代表代行「解散で何を国民に信を問うのか」

国民民主党の大塚代表代行は、衆議院の解散について「あす、衆議院を解散すると聞いている。岸田総理大臣は、今回の解散で、何について国民に信を問うのか」とただしました。

岸田総理大臣は「コロナ感染症の状況は、現在落ち着きを見せているとはいえ、先行きは不透明で、多くの国民がまだ大きな不安を持っている。国民の信を問うたうえで、一刻も早く大胆で思い切ったコロナ対策、経済対策を実現したいと考え、可能なかぎり早い時期に解散を行うこととした」と述べました。

共産 小池書記局長「無料でPCR検査受けられるように」

共産党の小池書記局長は、新型コロナ対策をめぐり「感染の伝ぱを断って新型コロナを封じ込めるには、大規模、頻回、無料の検査体制確立が必要だ。いつでも誰でも、無料でPCR検査が受けられるようにすべきだ」とただしました。

岸田総理大臣は「段階的な行動規制の緩和に向け日常生活の中でスムーズに検査ができるよう、検査の拡充も重要な課題で、冬に向け、再度の感染拡大に備えて、インフルエンザ流行に伴う需要も勘案しつつ、検査体制を今後さらに強化していく」と述べました。

立民 森参院幹事長「緊急事態条項の創設 進めるのか」

立憲民主党の森参議院幹事長は、憲法改正をめぐり「自民党からは『憲法に緊急事態条項がないからコロナ対策がうまくいかない』と言われた。緊急事態条項の創設をどうしても進めたいのか」とただしました。

岸田総理大臣は「憲法改正は国会でお決めいただくことで、具体的な内容に内閣総理大臣として答えることは控える。新型コロナウイルス感染症への対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まる中、与野党の枠を超えて、これまで以上に活発な議論を期待する」と述べました。

自民 片山元地方創生相 「半導体の生産拠点 どう取り戻すのか」

自民党の片山元地方創生担当大臣は、半導体の生産拠点の確保をめぐり「『産業のコメ』と呼ばれてきたが、死活的に重要な戦略基盤技術として『産業の心臓』だとの発想に転換すべきだ。生産拠点をどう取り戻していくのか」と問いました。

岸田総理大臣は「半導体はあらゆる分野に使われる、いわば『産業の脳』であり、安定供給体制の構築は非常に重要だ。生産拠点の日本への立地を推進することで、サプライチェーンの強じん化に取り組んでいく」と述べました。