SNS上ひぼう中傷対策強化
侮辱罪に懲役刑導入諮問へ

SNS上のひぼう中傷対策の強化に向けて、上川法務大臣は、人を侮辱した行為に適用される侮辱罪について、法定刑の上限を引き上げて懲役刑を導入する方針を示し「1年以下の懲役・禁錮」などを追加するよう、16日に法制審議会に諮問することを明らかにしました。

SNS上でのひぼう中傷をめぐっては、去年5月、民放の番組に出演していたプロレスラーの女性が自殺し、対策の強化を求める意見が強まっていて、ことし4月には、投稿した人物を速やかに特定できるよう、新たな裁判手続きを創設する「改正プロバイダ責任制限法」が成立しています。

上川法務大臣は、14日の記者会見で「インターネット上のひぼう中傷は、同様の書き込みを誘発し、取り返しのつかない重大な人権侵害につながるものであり、決してあってはならない」と述べました。

そのうえで上川大臣は、公然と人を侮辱した行為に適用される侮辱罪について、現在の法定刑が刑法では最も軽い「拘留」か「科料」となっていることから、罰則を強化して懲役刑を導入する必要があるとして、16日に法制審議会に諮問することを明らかにしました。

具体的には、法定刑の上限を引き上げて「1年以下の懲役・禁錮」と「30万円以下の罰金」を追加するよう求めていて、引き上げが実現した場合、現在は1年となっている時効も、3年に延びることになります。