ゴーン元会長の刑事手続き
“恣意的拘禁”意見書に反論

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の日本での刑事手続きが「恣意的な拘禁にあたる」とした国連の作業部会の意見書をめぐり、上川法務大臣は、事実関係が誤っている点を具体的に示して反論する文書を国連側に提出したことを明らかにしました。

去年11月、国連人権理事会の作業部会が、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の日本での刑事手続きについて「恣意的な拘禁にあたる」とする意見書を公表したのに対し、政府は「事実誤認で受け入れられない」として、異議を申し立てています。

これについて、上川法務大臣は意見書の中で事実関係が誤っている点を具体的に示して反論する文書をまとめ、今月18日付けで作業部会に提出したことを明らかにしました。

それによりますと、ゴーン元会長の逮捕が繰り返されたことが手続きの乱用だと指摘されたことに対し「異なる犯罪事実について、裁判官が慎重に審査し、逮捕状を発付したもので、乱用にはあたらず適法性には何の疑いもない」と反論しています。

また、弁護士と自由にやり取りができず不公正だとの指摘については「ほぼ毎日、弁護士と接見し、1日に複数回会うことも頻繁にあった」などと主張しています。

上川法務大臣は「意見書は刑事司法制度に対する誤解を抱かせるもので、恣意的拘禁に該当しないことを改めて指摘したい」と述べました。