「PFI事業」で国の機関に
改善求める 会計検査院

公共施設の運営などに民間の資金やノウハウを活用する「PFI事業」について会計検査院が調べたところ、契約に沿った適正なサービスが提供されていないケースが、26の事業で2300件余りあったことが分かり、検査院は契約元の国の機関に再発防止を求めました。

国の予算の使われ方を検査する会計検査院は、平成14年度から30年度までに、法務省や国土交通省など11の国の機関が契約した「PFI事業」について調べました。

その結果、契約に沿った適正なサービスが提供されていない「債務不履行」が、57の事業のうち26の事業で2367件あったことが分かりました。

最も多かったのは法務省が民間の事業者と契約し運営している島根県浜田市の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」に関連する事業で、食事への異物混入や、受刑者から預かった私物の紛失など、合わせて722件に上りました。

法務省は「ヒューマンエラーは避けられないが、件数は減少傾向にあり、原因を突き止めて対応をとるよう民間事業者を指導していく」と話しています。

会計検査院は、今回、調査の対象とした事業の一部では、繰り返し同じような債務不履行が起きているとして、契約元の国の機関に再発防止に向けた改善を求めました。