札幌市を「まん延防止」
対象地域に適用要請

札幌市では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことから、北海道は5日午後、政府に対し札幌市を対象地域としてまん延防止等重点措置を適用するよう要請しました。また、道は6日から、市内全域の飲食店などに対し、営業時間をさらに1時間前倒して午後8時までとするよう要請するなど対策の強化を決定しました。

札幌市での感染の急速な拡大を受けて、道は5日午後、対策本部会議を開き、政府に対し札幌市を対象地域として、まん延防止等重点措置を適用するよう要請することを決定し、政府に要請しました。

重点措置の適用期間については、政府との調整を続けるとしています。

また、会議では今月11日までとしている大型連休の「特別対策」について、追加の対策を講じることも決めました。

札幌市で、できるかぎり外出やほかの地域との行き来を控えるよう要請を続けるとともに、市内全域の飲食店などに対する時間短縮の要請は、6日から営業時間をさらに1時間前倒して午後8時までに、酒の提供は午前11時から午後7時までに限るよう強化します。

また、市内では事業者にテレワークなどを促し、出勤する人の7割削減を目指すほか、百貨店など大型商業施設に対しては混雑を招くような広告を控え感染防止対策を徹底することや、カラオケ設備がある飲食店に対しては、昼夜を問わず対策が徹底できない場合にはカラオケの利用を控えることを働きかけます。

さらに、観光施設などのライトアップや繁華街の屋外広告は、午後8時以降、消灯するよう働きかけます。

鈴木知事「知事として取り得る最後のカード」

鈴木知事は対策本部会議のあと、記者団に対し「札幌市内は、医療の非常事態と言える極めて厳しい状況だ。まん延防止等重点措置の要請は総理大臣による緊急事態宣言の発令を除けば、現行法上、知事として取り得る最後のカードで、感染の急拡大を抑え、何としても、医療の危機的な状況から脱却していかなけばならない」と述べました。

そのうえで「変異ウイルスが市中に広がっている中、いまは人と人との接触を減らしていかなければいけない段階にある。道民、札幌市民には、札幌市での外出の自粛と往来の自粛を改めてお願いしたい」と述べ、協力を求めました。

一方、5日、札幌市で行われた東京オリンピックのマラソンのテスト大会について「開催の影響で国への要請の日程が変わったということはない。本番の大会も、テスト大会と同じ考えで、安全、安心が最優先されるべきで、観客を入れるかどうかなどは、全国的な感染状況を見極めたうえで、慎重に判断していくべきだ」と述べました。