参院予算委 ワクチン接種や
選択的夫婦別姓めぐり論戦

国会では、3日午後も参議院予算委員会で菅総理大臣とすべての閣僚が出席して質疑が行われ、新型コロナウイルスのワクチン接種や選択的夫婦別姓などをめぐって論戦が交わされました。

社民 福島党首「選択的夫婦別姓に反対の理由を」

社民党の福島党首は、丸川女性活躍担当大臣が就任前のことし1月、自民党の有志の国会議員と連名で、選択的夫婦別姓の導入に慎重な対応を求める文書を地方議員に送ったことについて「署名までして地方議会に文書を送っている。なぜ選択的夫婦別姓に反対なのか、その理由を知りたい」とただしました。

これに対し丸川大臣は「かつて私が持った意見は『家族の根幹に関わる議論だ』という認識を持ったからだ。大臣として反対したわけではないし、私が賛成・反対を述べることで議論を誘導したくない。国民の間で深い議論が必要であり、それをサポートしていきたい」と述べました。

立民 真山氏「丸川大臣の答弁 社会で通じるのか」

立憲民主党の真山勇一氏は選択的夫婦別姓をめぐり、丸川大臣が大臣の立場で個人の考えを述べるのは控えたいとしていることに触れ「政治家は『信念はこうだから、こういうことをやりたい』というのが普通だ。『個人の信念と公的な仕事は違う』と言われても普通の社会で通じるのか」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は「私の場合、夫婦別氏制度の導入には賛成の署名をしたが、現実的問題として家族の在り方に関わる問題であり、賛否がきっ抗していると思う。男女共同参画基本計画に基づいて国民の意見を見ながら進めていく。閣僚になった場合には、そうした法案などに賛同して取り組むのが当然ではないか」と述べました。

自民 福岡氏 “在宅介護従事者のワクチン接種”

自民党の福岡資麿氏は医療従事者へのワクチンの接種をめぐり、「在宅介護の従事者は対象になっていない。自宅療養中の感染者にサービスを提供している介護従事者にも、安心してサービスを継続してもらうことが大切だ」と指摘しました。

これに対し、田村厚生労働大臣は「在宅介護の従事者からは『感染者の介護が難しい』という声が出ている。感染者の在宅介護に対応してもらうことを前提として、優先接種の対象にしてはどうかと検討している。結論が出しだい、自治体に報告したい」と述べました。

自民 森前法相「国の危機管理体制 再構築を」

自民党の森前法務大臣は「10年前の東日本大震災の時、総理大臣官邸の対応が遅かった。テロや感染症がいつ、同時多発的に起きるかもしれない時代だ。わが国の危機管理体制を再構築しないと迫り来る危機には対応できない」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は「内閣官房を中心に省庁横断的な取り組みを行う体制を整えている。引き続き縦割りを排し、省庁の壁を乗り越えて政府の総力を挙げて対応できるよう不断の見直しを図り、危機管理に万全を期したい」と述べました。

田村厚生労働相 ワクチン接種後の死亡「因果関係調べる」

一方、田村厚生労働大臣は、新型コロナウイルスのワクチンを接種した女性が3日後に死亡したことについて「偶発的な事例かもしれないが、厚生労働省の審議会で評価してもらう。因果関係を調べるとともに、国民にしっかりと情報を開示し、理解をいただきながら接種をしてもらいたい」と述べました。

武田総務相 「軽率な行為」接待問題を陳謝

また武田総務大臣は、総務省の幹部らが衛星放送関連会社「東北新社」に勤める菅総理大臣の長男などから接待を受けていた問題について、改めて陳謝したうえで「利害関係者に当たるかどうかも含め、みずからに都合のよい解釈によって行った軽率な行為だった」と述べました。

谷脇総務審議官「認識の甘さ深くおわび」

さらに接待問題で処分を受けた谷脇総務審議官は「意見交換などを目的に通信事業者といった利害関係者と会食する場合はある。国家公務員倫理法に違反する会食はないと認識しているが、認識の甘さは深くおわびしたい」と述べました。