緊急事態宣言 10都府県は
来月7日まで延長 栃木解除

新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言について、菅総理大臣は栃木県は解除し東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。

政府決定に先立ち 衆参両院で質疑

緊急事態宣言の扱いを政府が決定するのに先立って、国会では菅総理大臣が出席して質疑が行われました。衆参両院の議院運営委員会には、菅総理大臣と西村経済再生担当大臣が出席しました。

▽自民党の福田達夫氏は「重ねて1か月の延長となると、対象地域以外にも影響が広がり、心理的な先行きへの不安感が大きな影を落とし始める。先行きをどう見ているのか」と質問しました。

西村大臣は「感染拡大の情報が外出自粛につながり、消費の減少をもたらすという分析がある。心理面からも実態面からも、まずは感染拡大を抑えることが重要だ」と述べました。

▽立憲民主党の鉢呂吉雄氏は「『1か月後には必ず事態を改善させる』と約束したのに、収束できなかった。最高責任者として、非常に大きな責任がある」とただしました。

菅総理大臣は「さらに1か月延ばすことは、大変申し訳なく思っている。何としても、感染拡大を阻止したいという思いで、判断した。1か月でできなかった責任は、すべて私が背負う。もう一度、国民にお願いさせていただきたい」と述べました。

▽公明党の佐藤英道氏は「いまだ予断を許さない状況に置かれている国民や中小事業者に対し、政府は確固たる姿勢を見せるべきだ」と指摘しました。

菅総理大臣は「国民の協力のおかげで、間違いなく感染者数は減少傾向にある。もう一度協力いただき何としても、感染拡大に終止符を打ちたい。安心できる生活を1日でも早く取り戻せるよう全力で頑張る」と述べました。

▽日本維新の会の遠藤敬氏は「特措法の改正で、知事の権限が強くなると思うが営業時間の変更などは、首長の権限でできるのか」と質問しました。

西村大臣は「感染状況や病床確保の状況などを踏まえ、最終的に知事が措置をしていく。仮に解除したあとも、再拡大しないように段階的に緩和していく」と述べました。

▽共産党の倉林明子氏は「重症患者の受け入れ病床を、喫緊に確保しないといけない。すべての医療機関の経営を守り支えきると表明してもらいたい」と求めました。

菅総理大臣は「病院の経営が非常に緊迫していることは承知している。支援によって、基本的に減収になることはないと考えているが、ありえるならば、さらに対策を検討し、現場が財政面でちゅうちょしないよう、しっかり対応する」と述べました。

▽国民民主党の浜野喜史氏は「ワクチンの接種が大多数に行き渡って、いわゆる『集団免疫』と呼ばれるような状態を作らないかぎり、収束にならないのではないか」と指摘しました。

菅総理大臣は「まずは足元の感染拡大を防ぐために、断固たる対策を講じる。そのうえで、感染対策の決め手となるワクチンについて円滑に接種を進め、安心して暮らせる日常を取り戻せるよう、全力であたっている」と述べました。

一方、菅総理大臣は、深夜まで飲食店に出入りしていた与党議員の辞職や離党について「政治家は率先して襟を正すべき立場で誠に残念だ」と述べ、重ねて陳謝したうえで、引き続き新型コロナ対策に全力を尽くす考えを示しました。

また、去年12月、みずからが会食に参加したことについて「緊急事態宣言下でもなかったし当時は夜10時まで許されていたと記憶しているがあってはならないことだと大いに反省している」と述べました。

首相が緊急事態宣言の延長を表明

政府は2日夜、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣のほか西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。

この中で菅総理大臣は「先月の緊急事態宣言の発出以降、東京をはじめ全国の新規感染者数は減少傾向にあり、飲食店の時間短縮を中心とする今回の対策がはっきり効果を上げていると考えられる。今後も減少傾向を継続させ入院者数、重症者数を減少させる必要がある」と述べました。

そのうえで、緊急事態宣言について栃木県は今月7日で解除し、東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。

一方、感染状況などが改善した場合は期限の前でも解除する考えを示しました。

そして「必要な方が必要な医療を受けることができるように引き続き各自治体と一体となって病床の確保に全力を挙げていく。国民の命と暮らしを守るため、各大臣は引き続き対策を徹底し、感染の減少に向けて全力で取り組むようお願いする」と指示しました。

県は解除し東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。

政府は2日夜、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣のほか西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。

この中で菅総理大臣は「先月の緊急事態宣言の発出以降、東京をはじめ全国の新規感染者数は減少傾向にあり、飲食店の時間短縮を中心とする今回の対策がはっきり効果を上げていると考えられる。今後も減少傾向を継続させ入院者数、重症者数を減少させる必要がある」と述べました。

そのうえで、緊急事態宣言について栃木県は今月7日で解除し、東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。

一方、感染状況などが改善した場合は期限の前でも解除する考えを示しました。

そして「必要な方が必要な医療を受けることができるように引き続き各自治体と一体となって病床の確保に全力を挙げていく。国民の命と暮らしを守るため、各大臣は引き続き対策を徹底し、感染の減少に向けて全力で取り組むようお願いする」と指示しました。

政府の分科会 必要な対策の提言まとめる

政府の分科会は2日に持ち回りで会合を開き、緊急事態宣言が延長される地域と解除する地域で求められる対策について提言をまとめました。

この中では、飲食の場を中心とした感染拡大の防止対策など「急所」を押さえた緊急事態宣言の効果で、全国的に感染の減少傾向が見られるとする一方、地域によっては、感染の水準がいまだ高く、医療への過剰な負荷が続いているため宣言の解除は難しく、今後も重症者の急激な減少は見込めないとして、感染者の減少を加速させ重症者への対策をさらに強化する必要があるとしています。

宣言の解除が難しい地域で求められる対策を具体的に示し、宣言を出さざるをえないほど感染が拡大した原因の1つは、年末の忘年会を控えるメッセージが伝わらなかったことが挙げられるとして、
▽国や都道府県は再び「3密」の回避などの基本的な感染対策の重要性を周知することや、
▽若者に向けて、気付かずに高齢者に感染させることや、後遺症があることなどを伝えて行動変容を促すよう求めています。

また、特に休日を中心に日中の人の動きが減少していないとして、都道府県や国に対して、
▽昼夜を問わず、不要不急の外出自粛や、
▽テレワークなどによる出勤者の7割減などの要請を徹底すること、
▽飲食店に対して営業時間の短縮要請のために、きめ細かい働きかけを行うことや、
▽デリバリーやテイクアウトといった営業を呼びかけること、などを求めています。

さらに、クラスターが急増している高齢者施設については、施設での感染対策徹底のために対策チームを設置し、
▽施設の職員が定期的に検査を受けられるようにしたり、
▽感染者が見つかった場合に、感染対策を支援できるような体制を作ったりすることなどを求めています。

また、重症者への対策として国や都道府県は、
▽医療提供体制の機能不全に陥る手前の状況から脱するために、医師会や病院団体などの連携を通じて、病床や医療従事者の確保を強化することや、
▽自宅での療養や待機をしている患者が重症化するケースが見られるため、支援を強化すること、
それに、
▽新型コロナ対応に重点化する医療機関や、症状が改善した患者を受け入れる病院の拡充などを求めています。

一方で、宣言の解除が可能と考えられる地域については、
▽感染の状況などがステージ2相当となるまで必要な対策を続けることや、
▽感染の予兆を早期に見つけるため、歓楽街など感染リスクの高い地域を中心に幅広くPCR検査を行うことなどを求めました。

日本感染症学会理事長「さらに改善し確実に解除に」

緊急事態宣言の延長について、日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は「ゆっくりとだが確実に感染者数が減少するなど宣言の効果は確実に出てきており、皆さんの努力が数字に結び付いていると感じる。しかし、重症患者は減少せずに医療現場のひっ迫が続き、感染者数もまだ安心できるほどには減っていないため、残念ながら今月7日までに緊急事態宣言を解除できる状況にはない」と話しています。

そのうえで、今後の対策について「期間の延長は誰にとっても苦しいことだが、ここで緩んで再び増加に転じてしまうとこれまでの努力がむだになってしまう。今の状況をさらに改善し、確実に解除につなげるための1か月間の宣言延長で非常に重要な期間だ。延長した期間も感染が広がりやすい飲食の場を避け、不要不急の外出を控え、テレワークを徹底するなど、一人一人が引き続ききちんと対策に取り組めれば、確実に解除できるレベルにまで感染状況を下げていけると思う」と話しています。

小池都知事 「7日間平均を前週7割以下に」

緊急事態宣言の延長を受けて、東京都の小池知事は臨時の記者会見を開き、都内の新たな感染の確認は減少傾向だが、年末年始の急拡大前の水準に戻ったにすぎないとして、今後、感染確認の7日間平均が1週間前の7割以下で推移することを目安にさらなる協力を呼びかけました。

ここで緩めれば再拡大招く
小池知事は「都では、新規陽性者数は減少傾向にあるが、年末年始の急拡大、その前の水準に戻ったということにすぎない。重症化の数は高止まりしている。そして医療提供体制のひっ迫は長期化している」と述べました。そのうえで「ここで緩めてしまうと、すぐに再拡大を招いてしまう。東京の医療を守り、都民の皆様方の命を守るために徹底して人流を抑え込む、その最大限の対策を取る。『緊急事態宣言を1日でも早く切り上げたい』という思いは皆さんと一緒だ。何としても今ここでウイルスを抑え込んでいかなければならない」と呼びかけました。

『7日間平均を7割に』
「ここ数日の新規陽性者数をみると、7日間移動平均で前の週に比べておよそ7割前後までに抑えられている。さらに続けていくことが大事だ。仮に今後、毎日の新規陽性者数が1週間前の7割以下で推移していった場合、3月初旬には、1日当たりの新規陽性者数が140人以下、つまり都民10万人当たり1人以下となる。『7日間平均を7割に』。これを目安に今一歩のご協力をお願いしたい」と述べました。

『週3日・社員の6割以上』のテレワーク実施を
「事業者の皆様には、『出勤者数の7割削減』に向けて、『週3日・社員の6割以上』のテレワーク実施を改めてお願いしたい」と述べました。
そのうえで小池知事は、「先日、1都3県共同で緊急事態措置の期間、今回は2月8日から3月7日の期間を、新たに『テレワーク集中実施期間』として設定した。都においては、終日のテレワークが難しい職場でも、たとえば、半日・時間単位のテレワークとローテーション勤務などを組み合わせた『テレハーフ』の実施を新たに推奨し、より多くの従業員のテレワーク利用につなげていく」と述べました。

最も有効な処方箋は結局のところステイホーム
「都民の皆様には、引き続き、特措法第45条第1項に基づき徹底した外出自粛をお願いしたい。コロナウイルスへの最も有効な処方箋は結局のところステイホームだ。コロナにはカレンダーも時計も地図もない。ウイルスは私たちにつけいる隙を常にねらっている。昼も夜も外出は自粛してほしい」と述べました。

若者は外出控えて
「感染者は依然として20代・30代が多く、かつ無症状の方も多い。若者の皆さん、コロナウイルスは、皆さんを利用し、高齢者などに拡散しようとしている。どうか外出は控えてください。飲み会もなし。家で友人と飲食することも危ない。なしです。家の中ならいいということではない」と呼びかけました。

社会人も協力を
「社会人の方は、職場の歓送迎会や仕事の打ち上げなどもなし。スポーツ観戦や映画などイベントを楽しんだあとの食事もなしでお願いします。カラオケ、ゲームセンターも控えてほしい。若者でも重症化したり、長く続く後遺症に悩まされるケースもある。社会のため、皆さん自身のため協力をお願いする」と呼びかけました。

受験が終わったらステイホームを
「受験生の皆さん、合格を目指してぜひ実力を発揮してもらいたい。そして、受験が終わったあとはステイホームしてください。受験が終わって開放的な気分になることはよくわかるが、友人との交流もことしはオンラインにしてください。皆さんの行動が社会を救います」と呼びかけました。

卒業の季節 会食や卒業旅行も自粛を
「学生の皆さん、卒業の季節が近づき、例年なら追い出しコンパや謝恩会などの行事がめじろ押しになる時期だと思う。集団での会食は、ウイルスにとって拡散するまたとないチャンスだ。ことしはなしにしてください。友人との旅行や卒業旅行もなしです」と呼びかけました。

75歳以上の陽性者は増加
「先週のモニタリング会議では、都内の新規陽性者数が減少しているにもかかわらず、75歳以上の陽性者は増加していることが報告された。高齢者や基礎疾患のある方は重症化リスクが高く、感染は命に関わる問題だ。外出や会食は徹底して避けていただきたい。同居しているご家族の皆さんも食事時間をずらす、家庭内でもマスクをするなど、もう一段の注意をお願いする」と呼びかけました。
小池知事は、医療施設や高齢者施設でのクラスターが相次いでいることから、特別養護老人ホームなどの高齢者施設で検査の徹底を図る考えを示しました。

営業時間短縮今しばらくのご協力を
「飲食店の皆様には、たび重なる営業時間の短縮にご協力いただき、改めて感謝申し上げる。この間、新規陽性者数が減少傾向に転じている。ここで徹底的に感染を抑え込むため、今しばらくのご協力をお願いしたい」と述べました。
そのうえで「特措法第24条9項に基づき、3月7日までの間、引き続き、営業時間を朝5時から20時までとするよう要請する。酒類の提供は11時から19時までとする。対象地域はこれまでと同様、島しょ地域を含む都内全域とする」と述べました。
一方、緊急事態宣言の延長にあわせてさまざまな施設への休業要請に踏み切らなかった理由を問われたのに対し「今後の状況がどうなるかをよく見極めていかなければならない。状況が悪化していけば、休業要請も改めて考えなければならないが、それはぜひとも避けたい」と述べました。

協力金は1都3県で連携して取り組みたい
「この要請に全面的にご協力いただける飲食店などの皆様に対し、店舗ごとに協力金を支給する。協力金については、1都3県で連携して取り組みをしたいと考えており、詳細が決まり次第、改めてお知らせする」と述べました。

感染拡大防止協力金の制度構築や全額国費負担など国に求めていく
「東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県は、きょうの緊急事態宣言の延長決定を受け、共同で声明文を発表する。国の決定については、現在の措置を緩めることなく、何としても感染拡大を食い止める強い決意の表れとして受け止める。一方、今後の基本的対処方針を改定する際の事前の十分な協議、感染拡大防止協力金の制度構築や全額国費負担などを改めて国に求めていく」と述べました。

延長期間をできるだけ短くしていきたい
「コロナとの長い闘いに、つらく苦しい思いをされている方も多いと思う。もうこんなことは終わらせなければならない。私たち一人一人の行動によってそれが可能になる。医療従事者の皆様方には昼も夜も休日もなく、正月も年末年始もなくコロナと闘い続けてくださっている。こうした方々に報いるために私たちがすべきことは、何よりも感染者数を減らすことだ」と述べました。
そのうえで「そのためにも、『7日間平均を7割以下に』『出勤者数を7割削減』を目安に、今一度、全都民の皆様のお力を結集していただきたい。貸していただきたい。都民の皆様方には本当にさまざまなご苦労をおかけしますが、コロナとの闘いをここで終わらせていこうではないか」と呼びかけました。

「都が考える緊急事態宣言の解除の目安は何か」という質問に対しては「新規陽性者数だけではなく、医療提供体制の状況など、まさに総合的な判断が必要になってくる。緊急事態宣言の延長を機に、改めて感染の拡大を食い止めるという意識を皆さんと共有し、延長の期間をできるだけ短くしていきたい」と述べました。

大阪 吉村知事「感染落ち着けば期限待たず解除すべき」

大阪府の吉村知事は記者団に対し「今の医療のひっ迫状況をみると、延長自体はやむをえない」と述べました。

そのうえで「まるまる1か月というよりは効果が出れば終了すべきで、だらだら続けるものではない。感染拡大ではないという状況になれば、いったん解除すべきだ」と述べ、地域の感染状況が一定程度落ち着けば期限を待たずに解除すべきだという考えを示しました。

また、吉村知事は軽症や中等症の患者のため、府が先月、特別措置法の24条に基づいて、民間病院などに30床程度の病床の確保を要請した結果、13の病院で合わせて45床程度確保できたことを公表し「医療のすそ野が広がったことに感謝申し上げたい。特別措置法の33条に基づく『指示』は行わない」と述べました。

さらに、吉村知事は重症患者の治療を専門に行う「大阪コロナ重症センター」の拡充に関連して、規模の大きな複数の医療機関の敷地内に新たな施設を設ける方向で調整していることを明らかにしました。

重症患者用の病床 ひっ迫した状況続く

大阪府内の感染者は、緊急事態宣言が出される前の先月8日に発表された654人をピークに、徐々に減少傾向に転じていて、2日は211人でした。一方、病床のひっ迫は依然として続いています。重症患者は1日の時点で全国で最も多い179人、重症病床の埋まり具合を示す「運用率」は83.3%でした。

緊急事態宣言以降、感染者数は減少傾向に転じていますが「運用率」は80%前後と高い水準で推移していて、改善は見られません。大阪では亡くなる人も多く、先月の1か月では347人に上り全国で最も多くなりました。

医療現場の状況について、新型コロナ患者の治療にあたっている、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「年明けから重症病床は常に患者でいっぱいで、患者もなかなか回復せず、病床が空かない状況だ。また、中等症の病床に入院してくる患者も高齢の人ばかりで、酸素吸入が必要だったり重症に近い状態まで、自宅待機を余儀なくされていて厳しい状況が続いている。現場では何が起きてもコロナ治療を止めないという強い信念で、文字どおり命懸けで患者の治療にあたっている」と話しています。

そのうえで「緊急事態宣言の延長は妥当で、もし、延長しなければ重症者も死者ももっと増え、ひどいことになるだろう。医療現場はいまもギリギリの状況だ。このタイミングで新規感染者を徹底的に減らし、たくさんの命を救うためにも、外出自粛や基本的な感染対策に多くの人にご協力いただきたい」と呼びかけています。

埼玉 大野知事「もうひとふんばりの協力を」

埼玉県では感染状況などに関する6つの指標が1日の段階で3つの項目で最も深刻な「ステージ4」の状態ですが、2つの項目では先週と比べて、数値が下がっています。

これについて、大野知事は記者会見で「多くの県民の努力と協力で、命を守る取り組みが円滑に進み、感染者数などはおおむね減少傾向にあるものの劇的な改善にはつながっておらず、依然として厳しい状況だ」と述べ、改めて危機感を示しました。

そのうえで、緊急事態宣言が1か月延長されることについて「感染症の拡大を確実に防止し、終息に結び付けるためには、宣言の延長はやむをえない」と述べました。

そして、大野知事は「今はトンネルの向こうにあかりが少し見えている状況だと思う。一刻も早く経済活動を再開できるよう、もうひとふんばりのご協力をお願いしたい」と述べ、改めて午後8時以降だけでなく、日中でも不要不急の外出を自粛するよう協力を呼びかけました。

神奈川 黒岩知事「解除されるレベルには至っていない」

神奈川県の黒岩知事は、「新たな感染者はかなり減ってきたが、緊急事態宣言が解除されるレベルにはまだ至っておらず、やむをえないと思っている。しばらく苦しい時期が続くが、この流れを止めず感染者ゼロを目指す気持ちで、県民と心を1つにして乗り越えていきたい」と話していました。

千葉 森田知事 「もう一度気を引き締めて」

千葉県の森田知事は臨時の記者会見を開き「感染者の数は下がってきているがかぜでもそうですが治りかかったときが一番大事だ。大丈夫だろうと油断せず、もう一度気を引き締めて協力を引き続きお願いしたい」と述べました。

そのうえで「コロナに打ち勝たないとどうにもならない。ここまで我慢してきたのだから勝利の1か月にしましょう」と県民に呼びかけました。

また、医療提供体制については「回復者の転院を受け入れる後方支援の面で民間病院の協力をさらにお願いしたい」と述べ、新型コロナから回復した入院患者について、引き続き入院が必要な場合には、新型コロナ患者を受け入れていない病院などに転院を受け入れるよう依頼していく方針を示しました。

一方、宣言の解除については「新規の感染者数が2ケタとなる状況が1週間続き、医療提供体制が大丈夫だと確認できた時点で国と協議したい」と述べました。

愛知 大村知事「早期に宣言解除されるよう対策徹底」

愛知県の大村知事は2日夜記者会見を開き、飲食店に対する営業時間短縮の要請などの対策を続け、早期に宣言の解除を実現したいという考えを示しました。

この中で愛知県の大村知事は、緊急事態宣言の延長が決まったことについて「入院患者や重症患者の数が高止まりしていて、医療体制がひっ迫する厳しい状況だ。宣言が早期に解除されるよう対策の徹底を図っていきたい」と述べました。

そのうえで「県民1人1人と事業者のいっそうの自覚と自粛、行動の変容が不可欠だ。1日も早く日常を取り戻すため協力をお願いする。感染者を減らし入院者を減らしていけば、解除にたどり着ける」と述べました。

また、大村知事は、宣言の延長を受けて、愛知県が講じている「緊急事態措置」を来月7日まで延長すると発表しました。

解除の栃木 福田知事「気を緩めず取り組んでいく必要ある」

政府が栃木県に出していた緊急事態宣言を解除するとしたことを受けて、栃木県の福田知事は報道陣の取材に応じ「県民や事業者の協力によって数字の改善がなされたもので、心からお礼を申し上げる」と県民への感謝を述べました。

一方で「病床の稼働率などは政府の分科会が示す指標でステージ3の状態で、医療提供体制の負荷は継続されていると認識しているので、気を緩めず取り組んでいく必要がある」と述べ、このタイミングでの緊急事態宣言の解除については「歓迎はしていない」と話しました。

そのうえで、飲食店などへの営業時間の短縮要請を含む措置については「段階的な緩和に尽きると思うので、どういう形にしていくか、案を練って有識者の意見を聞き、国とのすり合わせも行ったうえで決定したい」と述べ、4日、県の対策本部会議を開いて今後の対応を協議する考えを示しました。

全国知事会長 “経済や雇用厳しい 対策を”

全国知事会の会長を務める徳島県の飯泉知事は、政府の諮問委員会に出席したあと、NHKの取材に対し「新規感染者数は減少したが、病床のひっ迫状況や重症者数がなかなか減っていないことを考えると、宣言の延長はやむをえない」と述べました。

そのうえで、「宣言が出ていない地域も含め、全国的に経済や雇用が大変厳しくなっているので、国にはもう一段踏み込んだ対策を行ってもらいたい」と述べ、「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の事業を再び行うことや、リーマンショックの際に行われた緊急雇用創出事業の実施などを国に求めていく考えを示しました。

また、今後の宣言の解除について、飯泉会長は「知事側から『そろそろ解除できないか』という話があった時に、国が速やかに回答をおこない、場合によっては、段階的に解除することもお願いしたい」と述べ、対象地域の知事の意向も踏まえて判断するよう求めました。

田村厚労相「総合的にいろいろな観点から判断」

田村厚生労働大臣は「新規感染者数は徐々に減りつつあるのは事実だが、1都3県で全体の2分の1、緊急事態措置の対象の11都府県だけで全体の8割弱となっており、さらに注視していかないといけない。医療提供体制の確保なども進めているが、総合的にいろいろな観点から判断して政策を決定していかないといけない」と述べました。

梶山経産相「困難に直面の事業者を最大限支えていく」

梶山経済産業大臣は、2日の閣議のあとの記者会見で「第3次補正予算などで措置した支援策をできるかぎり活用してもらえるよう準備を進めていきたい。緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対しては一時金の支給も考えている。困難に直面している事業者の皆さんを最大限支えていくことが重要だと思っている」と述べました。

麻生副総理「支出が増えることは十分ありえる」

麻生副総理兼財務大臣は、2日の閣議のあとの記者会見で「延長となれば必要なものが出てきますので、そういうものに対しては対応していかざるをえない。その分だけ、ある程度支出が増えることは十分ありえるので、よく関係省庁と詰めていかないといけない」と述べました。

野上農相「支援策を迅速かつ適切に執行」

野上農林水産大臣は2日の閣議のあと、記者団に対して「農林水産省でも補正予算などによって生産者、卸売業者、小売業者、飲食店などに支援策を講じている。今後も、関係業界の状況を注視しつつ、コロナの影響を受けた皆様に寄り添いながら、支援策を迅速かつ適切に執行して経営を支えていきたい」と述べました。

また、緊急事態宣言が出されている地域などで、「Go Toイート」のプレミアム付き食事券の販売が一時停止されていることについて野上大臣は「基本的な考え方は変わらない」と述べ、それぞれの都道府県の知事が販売の停止を延長するかどうか判断するという認識を改めて示しました。

自民 二階氏「政府が慎重に決断 支持」

自民党の二階幹事長は、記者会見で「政府が十分対応し、地域の意見も聴いたうえで、慎重に決断したことだと思うので支持したい。新型コロナウイルスから、国民の健康を守ることがいちばんであり、一日一日、全力を尽くして対応していきたい」と述べました。

自民 佐藤氏「期待を持っての延長」

自民党の佐藤総務会長は、記者会見で「栃木県が外れるという情報だが、それなりに対処すれば感染者がなくなるのを証明したということではないか。ほかの地域も、感染状況が改善されれば順次、宣言を外す方向に進んでいくと思うし、期待を持っての延長だと受け止めている」と述べました。

公明 山口氏「方向性を明確にすることは望ましい」

公明党の山口代表は記者会見で「重症者や入院者の数が高止まりしている状況で再び感染者が増えれば医療のひっ迫を招きかねない。期限の直前ではなく国民に予見を持ってもらうため、きょうのタイミングで方向性を明確にすることは望ましいことだ。対象地域の知事からも『延長はやむを得ない』という認識が示されているので、国と地方が連携して対応していくことが重要だ」と述べました。

自・公 追加の支援策を政府に要求で一致

自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長らは東京や大阪など10の都府県で緊急事態宣言が来月7日まで延長される見通しとなっていることから対応を協議しました。

そして、生活が厳しい人たちや営業時間短縮の影響を受けている事業者などへの追加の支援策を検討するよう政府に求めていくことで一致しました。

また、両党の議員が宣言が続く中、深夜まで飲食店に出入りしていたなどとして辞職や離党をしたことについて「極めて遺憾で同様のことがないようにしなければならない」という指摘が出され、緊張感を持って政権運営にあたっていくことを確認しました。

自民党の森山国会対策委員長は「自民党に対して厳しい意見があることを承知しておかなければならない。しっかりした政治活動を示すということだ」と述べました。

立民 福山氏「新たな財政支援を強く求めたい」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「延長となったことは、非常に残念に思う。1か月前『必ず事態を改善させる』と言った菅総理大臣には、なぜ延長せざるを得なかったのか、今後、どのような対策を講じるのか、これからの国会でも具体的に説明してもらいたい。1か月の延長で事業者や国民生活の状況は、ますます苦しくなる。新たな財政支援を強く求めたい」と述べました。

維新 馬場氏「事業者の補償制度の設計を」

日本維新の会の馬場幹事長は、NHKの取材に対し「各地で病床数はまだひっ迫しているので、徹底的に感染者の数を抑えていくことが最も肝要だ。また、国民に安心感を持ってもらうことも課題だと思うので、事業者への補償制度の設計を引き続き訴えていく」と述べました。

共産 小池氏「なぜこうした事態に至ったのか説明ない」

共産党の小池書記局長は、記者団に対し「医療がひっ迫している中で、宣言延長はやむを得ないが、なぜこうした事態に至ったのかきちんとした説明がなく、1か月後に本当に解除できるのか、国民の不安は消えない。延長に伴い、事業者への協力金を事業規模に応じたものに見直すなど、実態に見合った支援を行うことが政府の責任だ」と述べました。

国民 玉木氏「個人や企業への支援策も延長すべき」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「宣言の延長はやむをえないが、影響を受ける個人や企業への支援策も延長すべきで、追加で一律の現金給付を行うことを強く求めたい。国民にもうひとふんばりをお願いするなら、政府にもひとふんばりをお願いしたい」と述べました。