現金「元大臣が政治生命を
かけて渡してくれたと」

公職選挙法違反の罪に問われている河井克行元法務大臣の裁判の証人尋問で、広島県議会の川上征矢元議員は、現金の受け取りを認め「元大臣が政治生命をかけて渡してくれたと思い、私も男をかけて頑張ろうと思った」と証言しました。

元法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(47)が初当選した去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。

25日の裁判では、広島県議会の川上征矢元議員の証人尋問が広島地裁と映像と音声をつないで行われ、去年6月と去年7月の参院選の公示日の2回、元大臣から合わせて60万円を受け取ったことを認めました。

公示日に受け取った状況について川上元議員は「個人演説会で『頑張ろうコール』をすることになっていたので、トイレで用を足して気持ちを整えていたら、ジャケットのポケットに封筒を入れられ、横を見たら、元大臣が立っていた」と証言しました。

そのうえで「違法な金だと思ったが、元大臣が政治生命をかけて渡してくれたと思い、私も男をかけて頑張ろうと思った」と述べ、選挙ハガキを1500枚近く書いたほか、演説会の動員をしたと証言しました。

また、公示前の選挙活動は選挙違反とされる可能性がありますが、川上元議員は、公示前に300社ほどの企業を回ったとしたうえで、「案里議員を当選させるために公示前でも機会があればお願いしていた」と述べ、事前運動をしていたことを堂々と認めました。