裁選 立候補表明の
3氏の動きは

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙が8日に告示されるのを前に、立候補を表明している3人は、菅官房長官が台風への対応にあたったほか、岸田政務調査会長と石破元幹事長は、オンラインの会合に出席したり、所属議員を回ったりして支持を呼びかけました。

菅官房長官

菅官房長官は、7日午前の記者会見で、自民党総裁選挙を受けた報道機関のインタビューで省庁の再編に触れていることについて、「総裁候補として発言した内容については、総裁になってから考えたいという趣旨で申し上げており、個別に答えることは差し控えるべきだ」と述べました。

そのうえで、「官房長官としての経験で言えば、なかなか進まない課題は複数の役所にまたがるものが多かった。そういう意味では、どういう政策を実現するかを最優先に、役所の仕事や組織の在り方は、常に見直す必要があると思う」と述べ、政策の実現に向けて、中央省庁の組織の在り方を見直す必要があるという認識を示しました。

さらに、記者団が、新型コロナウイルスへの対応に関連して、将来、感染症対策専門の機関が必要かと質問したのに対し、「今後、事態が収束したあとに、組織の在り方を含めてしっかり検証していく必要がある」と述べました。

また、菅官房長官は、新型コロナウイルスの感染拡大で行政のデジタル化の必要性が改めて明らかになったとしたうえで、「鍵となる
マイナンバーカードの普及が進んでいないという指摘には、今後2年半でほとんどの住民がカードを持つよう、具体的なスケジュールをつくり、自治体のシステムの統一など、幅広い課題に、年内に一挙にめどをつけるべく、検討を進めていく」と述べました。

岸田政調会長

岸田政務調査会長は、7日午前、みずからが率いる派閥の議員が支援者らを集めて神戸市で開いた会合に、オンラインで参加しました。

岸田氏は当初、現地を訪れる予定でしたが、台風の影響で東京の党本部からの参加となり、「国民1人1人の協力なくして政治は結果が出せず、国民の協力を引き出せるリーダーになりたい。自民党は人材の宝庫なので、オールスターチームをつくり、メンバーを輝かせられるリーダーになりたい」と決意を示しました。

そのうえで、「新型コロナウイルスとの戦いという国難の中、次の時代を担うため、今まで蓄えてきたものすべてをかけて挑戦するので、ぜひ力添えをいただきたい」と支持を呼びかけました。

岸田氏の陣営は、7日午後、選挙対策本部を発足させ、支持の拡大に向けた戦略などを話し合うことにしています。

石破元幹事長

石破元幹事長は、先週、2日間かけて衆議院議員の事務所を回ったのに続き、7日午前は参議院議員の事務所を回りました。

このうち、無派閥の岡田広氏の事務所では、岡田氏が「新型コロナウイルスに対する国民の不安がなくなるような論戦を期待している」と述べたのに対し、石破氏は「何を議論しているのか、国民や党員にわかるような選挙をしていきたい。民主主義の在り方をきちんと示したい」と応じました。

石破氏は、7日午後は、みずからの陣営の選挙対策本部の会議に出席するほか、テレビ番組などに出演し、政策を訴えることにしています。