院患者への虐待事件
神戸市が改善命令

看護師による入院患者への虐待事件が起きた神戸市の精神科病院で、患者を隔離する際に法律に定められた事項を守っていなかったケースが相次いでいたことが新たに分かり、神戸市は17日、病院に対し、法律に基づく改善命令を出しました。

入院患者への虐待を繰り返していたとして看護師ら6人が逮捕・起訴された神戸市西区の精神科病院「神出病院」をめぐって、神戸市は、立ち入り調査や職員への聞き取りなどを行い、実態解明を進めてきました。

その結果、虐待行為以外にも、患者を保護室などに入れる「隔離」を行う際に、精神保健福祉法に定められた事項を守っていなかったケースが相次いで見つかったということです。

具体的には、医師による診断を行わず、看護師の判断だけで隔離することが常態化していたほか1つの部屋に複数の患者を入れていたこともあったということです。

このため神戸市は17日、病院に対し、法律に基づく改善命令を出し、今月中に「改善計画」を提出するよう求めました。

神戸市の花田裕之健康局長は、記者会見で「虐待や不適切な隔離そのものも問題だが、職員が上司に相談しても病院管理者に届けられなかったことが事件を大きくした。早急に再発防止策を策定するよう求めたい」と述べました。

神出病院「命令を重く受け止めている」

神戸市の改善命令を受けて、神出病院は「多くの患者を預かる病院として、今般の命令を重く受け止めています。今後は違反事項の再発防止はもちろん、医療安全体制をさらに構築し、患者と社会からの信頼回復に向けて全力で取り組んで行く所存です」とするコメントを出しました。