ーロー節子さん
核廃絶「あきらめず前に」

国連で核兵器禁止条約が採択されてからちょうど3年となる7日、採択に貢献したカナダ在住の被ばく者、サーロー節子さんがオンラインでスピーチし、「より多くの国を引き込んで条約を発効させなければならない」と述べました。

サーロー節子さんは7日、条約の採択に貢献して3年前にノーベル平和賞を受賞した国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンと、世界各地で被ばく者の証言活動を続ける日本のNGO「ピースボート」が共催したオンラインイベントで講演しました。

サーローさんは冒頭、中学2年の13歳のとき広島で爆心地から1.8キロメートル離れた学徒動員先で被爆し、みずからは奇跡的に助かったものの一緒にいたほとんどの同級生が猛火に包まれて死亡した体験を語りました。

そして、新型コロナウイルスの感染で多くの人が苦しんでいる世界の現状について触れ「資金の使いみちはここだ。どうして兵器の近代化に何兆ドルもつぎ込むのか。資金は人の暮らしを豊かにするために使うべきだ」と述べて、核軍拡競争を批判しました。

そのうえでサーローさんは、「私はあきらめない。圧力をかけて、前に進む。あと12か国を引き入れて条約を発効させる必要がある」と述べて、現在38か国の批准国が発効に必要な50か国に早期に達するよう、核廃絶運動への協力を呼びかけました。