政手続きの押印
“真の必要除き廃止”答申

政府の規制改革推進会議は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、社会全体のデジタル化を進めるため、行政手続きの際の押印について、真に必要な場合を除いて廃止することなどを盛り込んだ答申を決定し、安倍総理大臣に提出しました。

政府の規制改革推進会議は、2日の会合で、230項目余りの規制緩和策などを盛り込んだ答申を決定し、安倍総理大臣に提出しました。

答申では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、デジタル技術を徹底的に活用できるように規制改革を行う必要があると指摘しています。

そのうえで、行政手続きをすべてオンライン化し、税金の申告や運転免許証の発行などの際に求められてきた押印を、真に必要な場合を除いて廃止すべきだとしています。

また、民間の手続きについても、金融機関の口座の開設や融資の申し込みで必要とされる書面や押印をなくすとともに、不動産取り引きの際に義務づけられている書面のやり取りを電子化できるよう法改正を求めています。

このほか、老朽化した橋やトンネルの点検に、ドローンを活用できるよう手続きを簡素化することや、鉄道やバスの利便性を高めるため、事業者が所有する時刻表や運行状況などのデータを共有する仕組みの構築なども盛り込んでいます。

会議で、安倍総理大臣は「デジタル時代の到来を踏まえ、従来型の規制・制度を大きく変革し、これまで以上に取り組みを加速していく必要がある。新しい生活様式が求められる中ポストコロナをしっかりと見据えながら、新しいテクノロジーを徹底的に活用できるよう、必要な規制改革を集中的に実施していく」と述べました。

政府は、今月、答申の内容を盛り込んだ規制改革実施計画を閣議決定することにしています。