解散 頭の中に
全くない」安倍首相

自民党幹部が衆議院の解散の可能性に言及したことに関連し、安倍総理大臣は「解散・総選挙については、私の頭の中には全くない」と述べたうえで、去年の衆議院選挙での公約の実行や行政への信頼回復などに取り組む決意を示しました。

自民党の森山国会対策委員長は25日、「野党側から内閣不信任決議案が出されれば、衆議院の解散も1つの選択肢なのだろう」と述べました。

これを受け、26日の衆議院予算委員会で、日本維新の会が「解散について、今、考えているのか」と質問したのに対し、安倍総理大臣は「国民の信頼なくして政治を前に進められないというのは、私の一貫した信念だ。現在、行政をめぐるさまざまな問題で行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態となっており、行政府の長として、その責任を痛感している」と述べました。

そのうえで、「解散・総選挙については、私の頭の中には全くない。これははっきりと申し上げておきたい。今、求められているのは、しっかりと政策を議論し、われわれが昨年の衆議院選挙で約束した公約を実行していくことだろうと考えている」と述べました。

さらに、安倍総理大臣は「うみを出し切り、組織を根本から立て直していく決意だ。そのために最善と考えられる方策は果断に決断し、実行に移していく覚悟だ」と述べました。

一方、森友学園や加計学園の問題をめぐり、安倍総理大臣は「私の妻や長年の友人が関わる話であれば、国民から疑念の目を向けられるのはもっともだ。今、振り返れば、こうした点について、私の意識が必ずしも十分ではなく、結果として現在のように国会審議が政策論争以外に集中してしまう状況を招いたことは率直に反省しなければならない。事実に基づき、丁寧なうえにも丁寧な説明をしていく努力を重ねていきたい」と述べました。

官房長官「真摯に丁寧に対応」

菅官房長官は午前の記者会見で、「国会のことは国会がお決めになることであって、政府としてコメントは差し控えたいが、国会の正常化に向けた努力が続けられている中にあって、政府としては、国会の求めには真摯(しんし)に、丁寧に対応していくことに尽きる」と述べました。
自民 森山国対員長「野党への脅迫ではない」
衆議院の解散の可能性に言及したみずからの発言について、自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「野党を脅迫するような話だというような伝わり方もあるが、そんなことではなく、『内閣の選択肢の一つとしてはあるのだろう』ということを申し上げた」と述べました。

自民 二階幹事長「審議放棄 想像だにせず」

自民党の二階幹事長は成田空港で記者団に対し、「野党が審議に出席しないことは残念で、あくまでも出席を促す努力をしっかりしなければいけない。どんな不満があろうとも、国会で議論して初めて、意見の相違点がどの辺にあるのか、国民に理解してもらえる。頭から審議を放棄するというのは想像だにしないことだ」と述べました。

公明 山口代表「極めて残念な事態」

公明党の山口代表は党の中央幹事会で、「衆・参両院で予算委員会の集中審議が行われているが、一部の野党は欠席したままで、極めて残念な事態だ。かたくなに欠席を決めてかかるのはいかがなものか。国会で議論し、結論を出していくことが、本来の議会の在り方で、国会の外でいろいろと主張を重ねるだけでは国民には伝わらない」と述べ、野党側の対応を批判しました。

立民 辻元国対委員長「与党の一人芝居やめて」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し、「河野外務大臣も外遊中で、不在のまま、野党の合意もなく、外交をテーマに衆議院予算委員会の集中審議を開くことは理解に苦しむ。先の日米首脳会談が忘れ去られそうなので、安倍総理大臣がアピールする舞台が欲しかったのではないか。与党だけで一人芝居をするのはやめてほしい。安倍総理大臣から『率直な反省』や『謙虚に』と言う言葉を何回聞いたかわからないが、そうであれば、なぜ柳瀬元総理大臣秘書官を証人喚問に出さないのか。言行不一致だ」と述べました。

共産 志位委員長「政権担当能力ない」

共産党の志位委員長は記者会見で、「今の疑惑に全部ふたをしてしまおうという『疑惑隠しのため解散』で、とんでもないことだ。自民党の二階幹事長が発言を打ち消していたが、こうした政権与党の混乱は政権担当能力が無くなっていることを示しており、真相解明を通じて総辞職に追い込みたい」と述べました。