9月入学 首相「有力な選択肢の1つも慎重に検討」

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校の長期化を受け、政府・自民党は、対応策の1つとして、「9月入学」に移行した場合の影響などを検討しています。

安倍総理大臣は、記者会見で、「子どもたちの学びを保障していくことは極めて重要な課題で、『9月入学』についても私は有力な選択肢の1つであると考えている」と述べました。

そのうえで、「例えば、自民党でも、いろいろな議論があり、極めて慎重な議論もある。学校再開の状況や、子どもたちや保護者はもとより社会全体への影響を見極めつつ慎重に検討していきいたい。拙速は避けなければならない」と述べ、慎重に検討する考えを示しました。

また、安倍総理大臣は、一連の感染拡大への対応を検証するかどうかについて、「医療提供体制やPCR検査の体制はしっかりと検証しながら前に進めているほか、給付についても、どこに課題があるか検証しながら進めており、いわゆる中間検証は考えていない。全体の政治判断も含めた検証は収束した段階で検証していきたい」と述べました。

自民党作業チームが全国知事会などからヒアリング

「9月入学」の検討を進める自民党の作業チームは、25日、全国知事会や全国市長会などからヒアリングを行いました。出席者からは、導入への賛否両論が出されました。

このうち、全国知事会は、「『9月入学』は休校長期化の不安解消やグローバル化に資するものだが社会に幅広い影響を及ぼすのでまずは議論のそ上に乗せることが重要だ」と述べました。

一方、全国市長会からは、市長などに調査したところ、8割以上が慎重か反対だったとしたうえで、「いまは感染対策に全力をあげるべきで9月入学の議論をしている状況ではない」といった声が寄せられたことが紹介されました。

これに対して、出席した議員からは、「市長会など現場の声を重く受け止めるべきだ」、「国民の理解を得るのは困難だ」といった導入に慎重な意見が相次いだ一方で、「学びを保障するために、小学校低学年の子どもたちは、新学年になる時期を遅らせることが必要ではないか」といった意見も出されました。