財務次官セクハラ報道
政財界から厳しい声

財務省の福田淳一事務次官が女性記者へのセクハラ発言の報道で辞任を表明したことについて、政財界からは厳しい声が相次いでいます。

野党側のヒアリング「テレビ朝日に謝罪すべき」

立憲民主党など野党側は財務省からヒアリングを行い、福田事務次官が19日、記者団に改めてセクハラ発言を否定したことについて、「全く意味がわからず、国民は単なる辞任では納得しない。セクハラを認めて謝罪するべきだ」、「財務省には自浄能力がないのか」といった批判が相次ぎました。

また、テレビ朝日が、セクハラを受けたとされる記者の中に自社の女性社員が含まれていたと明らかにしたことを受けて、野党側が「テレビ朝日に謝罪すべきだ」と指摘したのに対し、財務省側は「テレビ朝日の抗議を踏まえ、調査は弁護士と相談したい」と述べました。

入省同期の片山議員「落城1日、再築城10年以上」

元財務官僚で、福田事務次官と大蔵省への入省が同期の自民党の片山さつき政務調査会長代理は「セクハラは、感じる相手方の問題で、弁解の余地はないと思う。本当にざんきに堪えないし、辞任は当然だ。財務省は徹底的に事実関係を調べて、福田次官にも正直にすべて話してほしい」と記者団に対して述べました。

また、同じく同期の佐川前国税庁長官も辞任するなど、財務省をめぐる問題が相次いでいることについて、「落城1日、再築城は10年以上だ。組織運営がどこかで緩んでいたのか、あるいは大丈夫だろうとタカをくくった部分があるのではないか」と指摘しました。

民進 大塚代表「麻生大臣も辞任すべき」

民進党の大塚代表は記者会見で、「遅きに失した辞任だ。財務省の信頼は地におちた状況で、『財務省解体』を議論しなければならない状況になりつつある。国民の理解を得られる方向で改善したいのなら、麻生財務大臣も即刻、辞任すべきだ」と述べました。

一方、大塚氏は、テレビ朝日の対応について、「会社として、『社会的に大きな問題で、事務次官の言動としていかがなものか』と判断し、報道すべきだった」と述べました。

日本商工会議所 三村会頭「次から次へと うんざり」

日本商工会議所の三村会頭は記者会見で、「いろいろな不祥事が次から次へと起こってきて、率直に言ってうんざりしている」と述べました。そのうえで、「国会の貴重な時間が使われ、その結果、いろいろな重要法案が後ずれしてしまっている。日本の最高意思決定機関の国会が、こういうものにずっとかまけていていいのか」と述べ、懸念を示しました。

また、三村会頭は、麻生副総理兼財務大臣の責任について、「政権全体としてどうするのか、よく考えたうえで対処されるべきだと思うが、私自身は辞任すべきだとは思っていない」と述べました。