奈川県が通常生活復帰を
認めた女性 感染を確認

先月、新型コロナウイルスに感染した神奈川県の30代の女性が、自宅療養のあと陰性が確認されないまま、神奈川県から通常の生活に戻ってよいとされ、その後になって発熱し、感染が確認されていたことが分かりました。専門家は「患者によっては2週間以上の療養が必要な場合もあり、一律の対応ではなくケースごとに判断するべきだ」と指摘しています。

先月13日に感染が確認された神奈川県に住む30代の女性は、軽症と判断されたため県の方針に従って自宅で療養し、健康観察期間の2週間がすぎて症状が治まったことから、県から一般的な感染防止策を取って通常の生活に戻ってよいとされました。

女性は陰性が確認されないことに不安を覚え、自主的に自宅待機を続けていましたが、その後、38度台の熱が出て医師の判断で改めてPCR検査を受けました。

その結果、2日、感染していることが再び確認されたということです。

神奈川県は、自宅や指定した宿泊施設で療養してもらう軽症者については、入院した感染者と違って、原則、陰性を確認する検査は実施しておらず、2週間後に症状がないと電話で回答すれば、翌日以降、通常どおりの生活に戻しています。

これについて、感染症対策に詳しい北海道医療大学の塚本容子教授は「世界的に見ても、2週間たったことを理由に感染した人をふだんの生活に戻している国は少ない。患者によってはそれ以上の療養が必要な場合もあり、一律の対応ではなくケースごとに判断するべきだ」と指摘しています。

女性「ウイルス残っていたんだと思いショック」

女性は「まだ治っていなかったんだ、ウイルスが残っていたんだと思い、ショックです。指示された療養期間が終わったあとは陰性確認の検査がなく、治った確証もなく、不安で社会復帰もできないなと考えていました」と話しました。

自宅療養や宿泊施設で過ごす軽症者には原則、検査がないことについては「やはり陰性を確認することは大事だと思います。自主的に外出を控えていなければ、ちょっとした買い物や仕事に出た際、自分が何人にもうつすことになっていたのかと想像すると、とても怖いです」と話していました。