急事態宣言「専門家の
意見聞いたうえで発出」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「安倍総理大臣はきのう、諮問委員会の尾身会長から意見を聴き、東京や大阪など、都市部を中心に感染者が急増しており、医療現場ではすでに危機的な状況になっていることを踏まえ、政府として緊急事態宣言の準備をし、意見を踏まえて7都府県を対象に、緊急事態宣言を発出することにした。基本的対処方針の改定作業を進め、午前中に専門家の皆さんからご意見を伺ったうえで、宣言を発出する」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は、「緊急事態宣言が出された場合、警察は、混乱など不測の事態の防止のために、警戒活動などを実施する。同時に、空港や医療機関などにおけるトラブル防止のために、警戒警備や混乱に乗じた各種犯罪の抑止、取締りを徹底する。そして、国民の安全安心の確保、治安の維持にまずは万全を期したい」と述べました。

さらに、「重要インフラである鉄道などの減便を要請することは考えていないが、宣言を受けて、人と人との接触を大幅に減らすための有効な対策を、専門家の意見を聴きながら適切に対応していきたい」と述べました。

一方、期間を1か月程度とする理由について、菅官房長官は「外出自粛の徹底などの取り組みの効果を確認することから、1か月程度は必要という専門家の意見を聴いたうえでの判断だ」と述べました。

また、北海道や愛知県に比べて、感染者数が少ない福岡県を対象とした理由や今後、対象地域を拡大する可能性について、「専門家の意見は極めて重要であり、医療現場ではすでに危機的な状況となっていることを踏まえ、政府として7都府県を指定した。まずは7都府県を対象に拡大防止に努めていく」と述べました。

橋本五輪相「競技団体と連携して対応」

橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、オリンピックを目指す選手への影響について、「外出の自粛などが求められている中、スポーツ施設の閉鎖や、アスリートが練習拠点の確保に苦労するなどの影響が出ている。政府としても、練習場の確保などアスリートが直面する課題に競技団体と連携して対応していきたい」と述べました。

茂木外相「外交活動が一日も早く戻るよう」

茂木外務大臣は、閣議のあとの記者会見で「外務省本省の96%の課や室で複数チームにわけて、在宅勤務を行っており、省内での総労働時間を感染拡大前の半分以下にしたい」と述べました。

一方、外交への影響について「世界のほとんどの国が感染症と戦っている中で、さまざまなことが滞っているが、外交もそうだ。この状況が沈静化し、外交活動も普通に戻る日が一日も早く来るよう、全力を尽くしたい」と述べました。

大島衆院議長「休会せずに立法や行政監視の任務遂行」

大島衆議院議長は、記者団に対し「緊急事態宣言は、国民の生活のいろんな権利を抑制し、我慢してもらうことで、難局を乗り越えようという重要な案件だ。国会の中核にある議院運営委員会で安倍総理大臣が報告し、質疑したことで、国民に趣旨を伝えられた」と述べました。

そのうえで「衆議院としては感染予防の措置を徹底しつつ、休会はせずに立法や行政監視などの任務を遂行し、安心の確保や経済不安の解消に向け全力を尽くす」と述べました。

立民 安住氏「対応を厳しく検証」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「初期の対応の遅れが、ここまで感染を広めてしまった。安倍政権や東京都に危機感はあったのか。責任を感じてもらいたい。今後、状況が悪化すると日本の社会、経済の基盤が壊れてしまうので、必要な法案の審議などは協力したいが、対応については厳しく検証したい」と述べました。