速な資金繰り対応
政府系金融機関に要請

新型コロナウイルスの感染拡大で事業に影響が出ている中小企業から資金繰りに関する相談が急増していることを受けて、梶山経済産業大臣は政府系金融機関などのトップに対して、融資の現場で迅速で丁寧な対応を徹底するよう求めました。

梶山経済産業大臣は16日午後、融資や保証の実務を担う政府系金融機関の日本政策金融公庫と商工中金、それに全国信用保証協会連合会のトップと面談しました。

このなかで梶山大臣は融資などの現場で窓口対応が不十分な例が見られると指摘したうえで、「今後さらにせっぱ詰まった融資の相談も多くなると思う。改めて事業者に寄り添った丁寧な対応を要請したい」と述べました。

新型コロナウイルスの感染拡大で事業に影響が出ている中小企業などの資金繰りを支援するため、政府は実質的な無利子・無担保の融資制度を設けるなどしています。

経済産業省によりますとこれまでにおよそ6万件の相談が寄せられていて、中小企業からは、手続きが煩雑で融資の実行までに時間がかかりすぎるという声も出ています。

こうした指摘を踏まえて政府系金融機関などは審査で提出を求める書類を減らしたり、OBを臨時アルバイトとして動員し窓口の体制を増強したりして対応を強化することにしています。

菅官房長官 “景気厳しい局面との見方広がる”

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気動向について、菅官房長官は午後の記者会見で、厳しい局面にあるとする見方が広がっているという認識を示しました。

この中で菅官房長官は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気動向について、記者団が「政府は『緩やかに回復』という表現を使ってきたが、だいぶ様子が変わってきたのではないか」と質問したのに対し、「皆さんも今の新型コロナウイルスの状況を見たら、そのように思われるのではないか」と述べ、厳しい局面にあるとする見方が広がっているという認識を示しました。

また、菅官房長官は「新型コロナウイルスの感染が経済全般にわたって甚大な影響を及ぼしており、今後も世界経済の動向を注意深く見極めながら、機動的で、必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れずに講じていきたい」と述べ、追加の経済対策も念頭に、政府・与党をあげて具体策を検討する考えを示しました。

そのうえで所得の大幅な減少などで生活に不安を感じている人への対応を今週中に取りまとめたあと、大規模な対策の検討を進める方針を示しました。