生田文科相に
「深い反省を求めたい」公明

大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期について、公明党は「深い反省を求めたい」として、萩生田文部科学大臣に対し、受験生に延期の経緯や今後の方針を丁寧に説明するよう求めました。

大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期を受けて、公明党の浮島文部科学部会長らは5日、萩生田大臣に提言書を手渡しました。

提言書では「受験生などに大きな影響を与え、深い反省を求めたい」として、延期の経緯や今後の方針を丁寧に説明するよう求めています。

また、家庭の経済状況などにかかわらず、公平に受験できるよう新たな支援策を講じるべきだとしています。

一方、大学入学共通テストへの記述式問題の導入については、出題や採点方法などを第三者が検証する仕組みを設けるよう求めています。

これに対し、萩生田大臣は「真摯(しんし)に受け止め、検討していきたい」などと述べたということです。

浮島氏は「与党としても反省すべき点がある。現場の声を聞いてやっていきたい」と述べました。

自民 文科部会 “国の責任で体制構築を”

大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入が延期されたことを受けて、自民党の文部科学部会は5日の会合で、政府に対し「読む、聞く、話す、書く」の、いわゆる「4技能」を評価する試験の円滑な実施に向け取り組むよう求める決議をまとめました。

この中では「高校生らがより安心して受験できる環境を整備するため、柔軟な視点で実施可能なものからスピード感をもって英語入試の改善に取り組んでもらいたい」と指摘しています。

具体的には、地域格差や経済格差などの課題に配慮して、国が責任をもって実施できる体制を構築することや、民間試験を活用する大学に対して、交付金などによる支援を検討することなどを求めています。

このあと、高階部会長らが萩生田文部科学大臣に提言を手渡しました。

これに対し、萩生田大臣は「スピード感を持って、準備を進めていきたい」と答えたということです。

柴山 前文科相「党などに状況確認のうえ方針決定を」

自民党の柴山 前文部科学大臣は決議を提出したあと記者団に対し、「民間試験が見送られたことは円滑な実施に向けて取り組んできた関係者にとって意外であったし、『困った』と言う人もいるので、きちんと応えられるように党として協力していきたい」と述べました。

一方で柴山氏は、英語の民間試験の導入が延期されたことについて、「方針の決定にあたっては党や外部の関係者との状況確認を経たうえで物事を進めていくべきだ」と述べました。