港情勢「大変憂慮」
日中外相会談で懸念示す

中国を訪問している河野外務大臣は、王毅外相と会談し、来年春の習近平国家主席の国賓としての日本訪問の成功に向けて連携していくことを確認しました。一方、香港情勢について、河野大臣は「大変憂慮している」と懸念を示し、平和的に対話を通じて問題が沈静化することを期待する考えを伝えました。

中国、韓国との3か国の外相会議に出席するため、20日から中国を訪問している河野外務大臣は、北京郊外で日本時間の20日夕方、王毅外相とおよそ50分間会談しました。

この中で両外相は、来年春に予定されている習近平国家主席の国賓としての日本訪問の成功に向けて連携し、日中関係をさらに発展させていくことを確認し、閣僚などのハイレベルの継続的な往来を進めていくことで一致しました。

これに関連して河野大臣は、ことし10月に日本で、天皇陛下が即位を内外に宣言する儀式について、中国の王岐山国家副主席の出席を念頭に、中国から極めてハイレベルの参加があることで両閣僚が了解していることを明らかにしました。

一方、会談では香港情勢について、河野大臣は「大変憂慮している」と懸念を示したうえで、「早期に平和的に対話を通じて問題が沈静化することを期待する。香港が一国二制度のもと、自由で開かれた形で発展していくことが非常に需要である」と述べました。

また、河野大臣は、沖縄県の尖閣諸島の周辺海域での活動を自制するよう要請し、東シナ海のガス田の共同開発の交渉の再開に向け、前向きな対応を改めて求めたうえで、「実質的な問題の解決や進展があることが、今後の日中関係を深めていくうえで重要だ」と述べました。