野古埋め立てめぐり
沖縄県 新たに国を提訴

アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐり、沖縄県による埋め立て承認の撤回を国土交通大臣が取り消す裁決を行ったのは違法だとして、県は裁決の取り消しを求める訴えを那覇地方裁判所に起こしました。
県はすでに裁決の取り消しを求める別の訴えも起こしていて、2つの裁判が並行して進むことになります。

普天間基地の移設計画をめぐり沖縄県は、名護市辺野古沖の埋め立て承認を撤回しましたが、ことし4月、国土交通大臣が「撤回には理由がない」として取り消す裁決を行いました。

これに対して沖縄県は、辺野古沖で軟弱地盤が見つかったことなど撤回には適法な理由があり、国土交通大臣の裁決は違法だとして、7日、那覇地方裁判所に裁決の取り消しを求める訴えを起こしました。

普天間基地の移設計画をめぐって県は、先月、国土交通大臣の裁決の取り消しを求める別の訴えを福岡高等裁判所那覇支部に起こしていて、来月18日から審理が行われます。

7日、県が新たな訴えを起こしたことで、2つの裁判が並行して進むことになります。

玉城知事「県の適法性を訴える」

沖縄県の玉城知事は記者会見で「先月起こした裁判では、国土交通大臣が裁決を行う違法性を主張したが、今回はこれに加えて県が行った埋め立て承認の取り消しの適法性についても主張するものだ。今後、裁判所に対して県の正当性をしっかり訴えて、ぶれることなく新基地建設に反対する民意にそって県民の強い思いに全身全霊で応えたい」述べました。

岩屋防衛相「理解得られるよう対話を」

岩屋防衛大臣は8日、閣議のあとの記者会見で「普天間基地の一日も早い全面返還を実現するため、引き続き、自然環境にも十分配慮して、事業を一歩ずつ前に進めさせてもらいたい」と述べました。

そのうえで、岩屋大臣は「今後とも、沖縄県の玉城知事と直接、対話する機会を設け、地元の理解と協力を得られるよう全力で取り組んでいく」と述べ、玉城知事との対話などを通じて、引き続き、基地の移設に理解を求めていく考えを示しました。