ランプ大統領 記者会見

軍事境界線越えるのか「もちろんだ」

トランプ大統領は、G20サミットが開かれていた大阪で行った記者会見で「われわれはキム・ジョンウン(金正恩)委員長と会うかもしれない。どうなるか見てみよう。あすには南北の非武装地帯を訪れる。私は確かなことは言えないが、彼らは好意的な反応を示している」と述べ、南北の軍事境界線を訪れ、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と面会する可能性に言及しました。

トランプ大統領は、記者から、もしキム委員長と会うことができるのなら、南北の軍事境界線を越えるのかと問われたのに対し、「もちろんだ。ぜひそうしたいと思っている。そのリスクをとることには何の問題もない」と述べました。

トランプ大統領は、30日にキム委員長が現れなければ、悪い兆しかと問われたのに対し、「そんなことはない」と述べ、キム委員長と会うことができなくても、問題はないという考えを示しました。

また、キム委員長について「私のツイッターを見ているようだ。なぜならけさ投稿したら、すぐに接触してきた」と明らかにしました。

中国との会談「しばらくの期間 追加関税は行わない」

トランプ大統領は中国の習近平国家主席との会談について「習国家主席と話をして交渉を続けることで合意した」と述べました。

そのうえで「ひとまず、しばらくの期間は、これまでの関税は下げず、追加関税は行わないことにした」と述べ、中国からの輸入品への追加の関税の上乗せを見送ったことを明らかにしました。

ファーウェイとの取り引き「許可した」

トランプ大統領は習主席との会談で中国の通信機器大手ファーウェイについても意見を交わしたとしたうで、「驚くかもしれないが、われわれはファーウェイが製品を作るための部品をたくさん売っており、これからもそれを売り続けることを許可することにした」と述べ、アメリカの企業にファーウェイとの取り引きを認める考えを示しました。

そして、トランプ大統領は「アメリカの企業は、安全保障上の問題がないものに関してはファーウェイに部品を売ることができる」と述べました。

そのうえで「非常に複雑な問題だ。中国との間でファーウェイの問題については、最後まで残すことで合意した。これから起こることを見ていく」と述べました。

ファーウェイについて、アメリカの企業が政府の許可なく取り引きすることを禁じるリストから外すのかと問われたのに対し、トランプ大統領は「そのことについて、あすか火曜日に協議する」と答え、政府内で協議することを明らかにしました。

また、リストから外す可能性について問われると「それについては、今、答えたくない」と述べるにとどめました。

「中国は米の農産品を買うことになる」

トランプ大統領は「われわれが追加の関税を見送る代わりに、中国はアメリカの農産品を買うことになる」と述べ、今回、中国に対して追加関税を見送った判断の理由を説明しました。

日米安保条約「不公平な合意だと言っているだけ」

トランプ大統領は記者から、日米安全保障条約を破棄する考えがあるのかと問われると「そんなことは一切考えていない。ただ不公平な合意だと言っているだけだ」と述べました。

そのうえで「起きてはほしくないが、もしアメリカが攻撃された場合、アメリカは日本を助けるのだから、日本もアメリカを助けなければならない」と述べました。

トランプ大統領は、日米安全保障条約が不平等だという、みずからの主張について「このことは、半年前から日本に伝えている」と話しました。

「日本は米に多くの投資をしている」

トランプ大統領は日本からアメリカへの投資について「日本はアメリカで多くの投資をして自動車関連の工場を開設している。多くの企業がアメリカに戻ってきている。アメリカは世界で最高の経済だ」と述べました。

ジャーナリスト殺害「サウジ皇太子の関与ない」

トランプ大統領は、サウジアラビアのジャーナリストがトルコにあるサウジアラビアの総領事館で殺害された事件について、記者から尋ねられ、「被害者が記者であろうとなかろうと、恐ろしい事件だと思う。サウジアラビア国内では、13人が訴追され、ほかの人物についても捜査が続いている。しかし、未来のサウジアラビアの王を犯人だと指摘している人などいないと認識している」と述べ、今回、大阪で会談したムハンマド皇太子の関与はなかったとの認識を示しました。

イランは「取り引きしたがっている」

トランプ大統領は、イラン情勢について「私はすべての人たちとよい関係を築いている。イランについてもどうなるかみてみよう。私は、彼らがディール=取り引きしたいと思っていると考えている」と述べました。

トルコのミサイル問題「エルドアン大統領のせいではない」

トランプ大統領は、トルコがロシア製の地対空ミサイルの導入を計画していることについて「過去のオバマ政権がアメリカ製のミサイルシステムをトルコに導入させなかったからロシアに行ったんだ。エルドアン大統領のせいではない」と述べ、オバマ前政権に責任があるという認識を示しました。

「中国からの留学生を歓迎する」

また、トランプ大統領は、中国からの留学生について「アメリカに留学するのが難しくなったと言う人もいるようだが、私はそうは思っていない。ほかの国の学生と同じように、アメリカの大学に来てほしい。アメリカの有名大学で、クラスでいちばん優秀な中国人の学生が、『帰国しろ』と言われることもある。これは問題で、優秀な学生には卒業後もアメリカに残れるようにするつもりだし、永住権の取得にも門戸を開くつもりだ。こうしたことについても議論した」と述べました。