職勧告決議案が出れば
賛成する」維新 松井代表

日本維新の会の松井代表は、日本記者クラブで会見し、除名処分にした丸山穂高衆議院議員に改めて議員辞職を促すとともに、議員辞職勧告決議案が提出されれば、党として賛成する考えを示しました。

日本維新の会は、北方四島の「ビザなし交流」に参加して、戦争で島を取り返すことの是非などを元島民に質問した丸山穂高衆議院議員を14日、除名処分にしました。

日本維新の会の松井代表は15日会見し「丸山氏のふるまいと発言は、党派を問うことなく、政治家であればすべての人が一線を越えたと判断すると思う」と指摘しました。

そして「本人が、ことの重大さに早く気付いて、早急に潔く身を処すべきだ。辞職を促しているわけで、議員辞職勧告決議案が出れば賛成する」と述べました。

また、松井氏は夏の参議院選挙にあわせた衆参同日選挙について「衆議院は常在戦場であり、いつ選挙が行われてもおかしくないと思うし、参議院選挙と一緒にやれば投票率も上がるだろうから、歓迎する」と述べました。

維新 片山共同代表「緊張感もった対応を」

日本維新の会の片山共同代表は、参議院の会派の会合で「丸山氏の問題は、ご承知のとおりだ。参議院選挙が近いので、公私にわたって緊張感をもった対応をお願いしたい」と求めました。

一方、国民民主党の大塚代表代行は「日本の国会議員として、あるまじき発言で、議員辞職が当然だ」と述べたほか、立憲民主党の福山幹事長も「こうした国会議員がいたことは日本の恥で、非常に残念だ。議員辞職に値する」と指摘しました。

維新 馬場幹事長「物理的に出せない 他党から辞職勧告を」

日本維新の会は、15日役員会を開き対応を協議し、党として丸山氏に対する議員辞職勧告決議案を提出する必要があるものの、党単独では人数が足りず提出できないことから、ほかの党が提出した場合、採決では決議案に賛成する方針を決定しました。

馬場幹事長は、記者会見で「本来なら、わが党から、議員辞職勧告決議案を出すべきだが、物理的に出せない。ぜひ、他党には行動を起こしてもらって、決議案の提案をお願いしたい」と述べました。

各党から批判相次ぐ

衆議院議院運営委員会の理事会で自民党は「日ロ交渉にとっても大変不利な材料で、国益を損なう可能性がある」と指摘し、立憲民主党も「発言は看過できず、責任は非常に重い」と述べるなど、各党から批判が相次ぎました。

これに対し、日本維新の会は「議員辞職するよう丸山氏本人には伝えているが、応じていない」などと説明し、丸山氏に対する議員辞職勧告決議案の取り扱いも含め、対応を検討する考えを伝えました。

自民 岸田氏「外交に悪影響生じないよう願う」

自民党の岸田政務調査会長は、記者会見で、「極めて不適切な発言で、全く理解できない。ロシアとの外交関係に悪影響が生じないよう心から願っている」と述べました。

立民 辻元氏「維新の対応なまぬるい」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は、党の会合で、「日本維新の会の対応はなまぬるいのではないか。衆議院からの代表として派遣されているのだから、しっかりとけじめをつけていかなければならない」と述べました。

国民 玉木氏「平和主義の根幹脅かす“芽”」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で、「言語道断の発言で、議員辞職すべきだ。個人の問題だけではなく、国会としても一定のけじめを、しっかりつけなければならない。戦後、日本の追求してきた平和主義の根幹を脅かす『芽』となりうる案件で、軽々しく取り扱うものではなく、国会としての意思を明確に示すべきだ」と述べました。

公明 山口氏「平和実現がわれわれの務め」

公明党の山口代表は、党の参議院議員総会で「現実の政治で平和を実現していくのが、われわれの務めだ。こぞって国民が世界の平和を推進しようという中で、戦争を口にするような国会議員がいるのは極めて残念で、そんな言動は許さないという姿勢で臨んでいきたい」と述べました。

共産 穀田氏「議員辞職勧告に値する」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で、「憲法を順守すべき国会議員として、論外で、許されざることだ。丸山議員は、衆議院の代表として送り出され、交流事業で、相手もいる中での発言であり、日本維新の会による除名処分でおしまいというわけにはいかない。衆議院の議員辞職勧告に値する」と述べました。