「このままでは産物の
安定供給に支障のおそれ」

政府は6日の閣議で、およそ70年ぶりとなる漁業制度の見直しなどを盛り込んだ水産改革関連法案を決定しました。漁業者の高齢化などで水産業が低迷する中、企業が沿岸の養殖業に参入しやすくするのが狙いです。

水産庁によりますと、養殖業をふくむ国内の漁業の漁獲量は430万トン余りで、ピーク時の3分の1ほどに減少しています。

こうした中、政府は水産業を成長産業に変えていくため6日の閣議で、水産改革関連法案を決定しました。

これまで沿岸で養殖する際に必要な漁業権は、地元の漁協に優先して割り当てられてきましたが、これを地元の漁協を優先するのを止めることで企業などが参入しやすくします。

こうした漁業制度の見直しはおよそ70年ぶりのことです。このほか、資源管理でも、サンマやマイワシなどの漁については漁協や都道府県単位ではなく、船ごとに漁獲量の上限を設定するように改めます。

また、密漁の被害が後を絶たないナマコやアワビなどを保護するため、密漁者に対する罰金を最高で3000万円まで引き上げることも盛り込んでいます。

吉川農林水産大臣は、6日の閣議のあとの記者会見で「国内では漁業量も漁業就業者も減少していて、このまま推移すると水産物の安定供給に支障が生じるおそれもある。今回の法案は漁業の生産力の発展を目指す重要な法案なので、速やかな審議をお願いしたい」と述べました。