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プロ野球2軍参加へ”全力” 新潟アルビレックスBC

県民も期待 順調に進めば11月のオーナー会議で正式決定
  • 2023年10月03日

プロ野球2軍の公式戦に「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」などの参加が内定し、2軍とはいえ60年以上続いた12球団体制が変わることになりました。11月に予定されているオーナー会議に向けて乗り越えるべき課題は何か、そして参加がプロ野球の未来にどのような変化をもたらすのか、取材しました。(新潟放送局 記者 豊田光司)

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アルビレックスBC「スタートラインに立てた」

プロ野球ではすそ野を広げることを目的に2軍の試合に参加する新たな球団を公募し9月29日、都内で行われたオーナー会議で独立リーグ、BCリーグの「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」(以下、新潟アルビレックスBC)と、静岡市に本拠地を置く計画の「ハヤテ223(ふじさん)」の2球団が来年から参加することが内定しました。

正式に決まれば新潟アルビレックスBCはイースタン・リーグに参加するということです。

プロ野球は1958年から60年以上にわたってセ・パ12球団による体制が続いていて、今回、2軍とはいえ球団数の増加という大きな節目を迎えることになったのです。

内定を受けて新潟アルビレックスBCは2日、新潟市内で記者会見を開き、池田拓史社長は「来年からのイースタン・リーグへの参加に対して準備をするためのスタートラインに立てたという認識だ」と述べました。

高まる県民の期待 

2軍への参加内定のニュースは県民の関心を集めています。
新潟市西区のバッティングセンターの利用者からは喜びや期待の声が聞かれました。
 

男子児童
うれしいです。アルビレックスの試合を見に行ったことがあって野球をすごいなと思ったので地元のチームが2軍でできるのはいいと思います。

野球ファンの男性
プロの方は超一流なので、1軍2軍関係ないと思うので、そういうプレーを子どもが小さいうちから見に行けるのはすてきな機会だなと思う。休みの日は子どもと一緒に楽しみに応援に行けたら。期待しています。

そもそも球団数拡大の背景と経緯は

NPB=日本野球機構が2軍の拡大構想を打ち出した背景には、新型コロナウイルスの影響で離れたファンを呼び戻す必要があったほか、少子化などで野球人口が減少するなか球団数の増加で選手の能力を上げたり、12球団の本拠地がある都道府県以外でも試合を開催することで野球の振興を図ったりしたいという考えがありました。

2023年4月と5月に1回ずつ参加を希望する企業を対象にした説明会を開き、7月の締め切りまでに「新潟アルビレックスBC」、「ハヤテ223」、「エイジェック」の3つの企業などから申請が届きました。

NPBと12球団による実行委員会は8月からヒヤリングを重ねて審査した結果、9月25日に行われた臨時の実行委員会をへてオーナー会議で「新潟アルビレックスBC」と「ハヤテ223」の参加が内定したのです。

正式決定は11月のオーナー会議 クリアすべき課題は

2軍公式戦への参加は11月に行われるオーナー会議で正式に決まります。
池田社長はオーナー会議に向け、次のような点が課題になるという認識を示しています。
▼およそ70試合のホームゲームの運営
▼選手の拡充やコーチやスタッフの増員など人材の確保
▼スポンサー収入をはじめとする営業収入の大幅なアップ などです。

具体的には事業規模として現在よりも2.5倍ほどにすることや
正式決定までに選手を40人ほどに増やすめどをつけたいとしているほか、
決定後も屋内練習場や選手寮の整備などが必要になるということです。

池田社長
最初からファーム・リーグの選手のレベルにすぐに追いつくことはやっぱり現実に難しい部分がかなりあるとは思っております。毎試合なかなか勝てないゲームっていうところになると、観客の関心というのもなかなか上がってこないと思うので時間はかかると思うんですが、その時間を少しでも短縮できるようなチーム編成や環境整備を進めていきたい。

池田社長は今後、選手の獲得や安定した試合運営などに向け
関係団体やスポンサー企業と連携するなどして準備を進める考えです。

新潟アルビレックスBC 池田拓史社長

池田社長
ここから1か月から1か月半が本当に勝負だと思っていて、その中でどれだけのエネルギーと情熱をもって球団が前進するパワーを出せるかで正式決定に近づけるかどうかが決まってくると思っている。本当に全力を尽くすとしか申し上げられない。

野球のすそ野拡大へ 17年間のつながりいかして

また現在所属しているBCリーグでの来年の試合について池田社長は「2つのラインで球団を保有できれば理想だ」としたうえで、経営資源を勘案すると1つにしぼり、IPBL=日本独立リーグ野球機構に加盟している球団としてイースタン・リーグの公式戦に参加する形になるという認識を示しました。

また、池田社長は会見でBCリーグの創設時から関わっている球団として「ファームリーグの拡大の一番の大きな背景は野球界のすそ野を広げるという部分がある。全国各地や新潟県内でのその野球に関する普及活動の展開というものが非常に大きな部分になってくるし、これまでの17年間のつながりですでに独立リーグの各球団との関係性も深くあるつもりなので、いろんな課題を共有しながら日本の野球界が少しでも盛り上がるお役に立てれば嬉しい」と話していました。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に。スポーツや文化などを担当。参加が正式に決まり、新潟県でプロ野球の試合がシーズンを通して行われるのが楽しみです。アルビBCの活躍に期待したいです。

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